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― 多忙を極める生活の中で次々と作品を発表されている大島さんですが、スランプに陥ることはありますか?
大島 私の作曲の仕方は、譜面に向かってテクニックを駆使してメロディをひねり出す、というものではないんです。
曲の発注を受けた時や、映画音楽などの場合は映像を見た瞬間に、頭の中で自然に音楽が鳴り出すんです。
大事なのはイマジネーションで、テクニックはあとからついてくるものなんです。
― イマジネーションですか?
大島 たまたま私の場合はこのイマジネーションが「曲づくり」という形で自分の仕事に直結してきますが、音楽の世界に限らずこのイマジネーションが豊富にあるかどうかで、その人の仕事や生活の充実度って大きく違ってくると思うんです。
― たしかにそうですね。イマジネーションの豊かな人って表情も豊かですからね。
大島 本当のことを言うと、私も以前はテクニックに頼った曲づくりをしていた時期があったんです。ところがこの方法にはスランプがつきものなんですね。
それで悩んでいたら、たまたまその時に一緒に仕事をしていたチェコの有名な絵本作家の方に「頭で考えるのではなく、頭に浮かんだことをそのまま出せばいいんだよ」ってアドバイスしていただいたんです。
それ以来、必要な時に頭の中にメロディが浮かんでくるようになったんです。
― でも頭に浮かんだことをそのまま表現することって誰にでも簡単にできることじゃないと思うんですけれど。
大島 私にそれができたのは、子どもの頃に音楽を理論ではなく感覚的に身につけていったからだと思います。
理論を先に考えるとイマジネーションは湧きにくい。せっかく音楽を始めても、途中でやめてしまう人の多くは、そのイマジネーションの広がりを経験する前に挫折してしまっているんです。
― 本当の楽しさはこれからというときに……
大島 子どもの頃にそうしたイマジネーションの持つ力を実感するには、本人が嫌々やっていたのでは無理です。
音楽が楽しいと思える環境に置いてあげることが何より大切です。
私は子ども時代のことを思い出すと、音楽教室では楽しい思い出しか残っていない。
だから早い時期に「イマジネーションの広がり」を経験できたのでしょう。
このイマジネーションはずっと大切にしていきたいと思います。
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