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― 今、西村さんは国際的な活躍をされていますが、海外デビューの思い出ってありますか?
西村 8歳の時にタイで演奏する機会があったんです。
日本はまだ冬で寒かったんですが、飛行機を降りると真夏の暑さ。それだけで「よその国」を実感したのを覚えています。言葉はわからないし、演奏会が始まるまではとても不安でした。
ところがステージに上がってピアノを弾き始めたら、それまでの緊張が嘘のようになくなって、いつもどおりの演奏ができたんです。そして演奏を終えると、会場中のお客さんたちがニコニコ笑って拍手をしてくれている。
言葉もわからない8歳の子どもの演奏でも、その音楽の楽しさが伝わったんですね。
私にとってそれが「音楽の素晴らしさ」を始めて体験した瞬間でした。
その時の心のときめきが、今もこうして音楽を続けていられる心の支えになっているような気がします。
― 西村さんの演奏が言葉を超越してタイの人々に伝わったんですね。
西村 それと同じ意味で、もうひとつ印象に残っている出来事があるんです。
シンガポールで知り合ったご夫婦なんですが、夫婦喧嘩の最中に私の曲を聴いていたら、自然に仲直りできたらしいんです。自分たちがだんだん馬鹿馬鹿しく思えてきたみたいで。
曲の楽しさや明るさにつられてとうとう仲直りできたって。
― 国際的な夫婦喧嘩の仲裁ですね(笑)。
西村 そう。でも私の曲が遠い国で暮らしている人の心を明るくする……そんなことができるんだということを実感して、すごく嬉しかった。
音楽のパワーってすごいですよね。 |
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