― バイオリンに憧れつつもヤマハへ
ヤマハ音楽教室には3歳から18歳まで通っていた長谷川さん。家にバイオリンを持ってるキティちゃんのマスコットがあり、キティちゃんが大好きだった長谷川さんは、「僕もやりたい!」とお母様に言ったのが音楽を始めるきっかけに。
しかし、お母様は、バイオリンはお金がかかるイメージがあったそうで、楽器店でエレクトーンをすすめられ、そのままヤマハ音楽教室に通うことに。「本当はバイオリンをやりたかったので、じつはしばらくショックが続いていました」という長谷川さん。
小さいころは恥ずかしがり屋で、知らない人と話したり、集まったりするのが苦手で、グループレッスンもなじめなかったそう。お母様にもよく「前に行かないの?」と怒られたとか。「でも、家では、そういったさまざまな感情をエレクトーンにぶつけ、好きなようにガシャガシャと弾いたりして。なんとなくエレクトーンが友達みたいな存在でした」と振り返ります。
また、レッスンに行く移動中の車内では、毎週レンタルCD店で借りてきたさまざまなジャンルの音楽を聴いていたそうで、常に音楽は身近だったとか。

― 自分が受けた感動を人にも与えたい
幼児科では「言われた通りに弾くだけの棒弾き」だったという長谷川さんですが、小学校2年生の時に転機が訪れます。発表会で、他の生徒さんが体を動かして音楽を感じるように弾いていたのを見て、「自分もやってみよう」と勇気を振り絞って動きをつけて弾いてみました。
すると、それを見た先生からコンクールに誘われ、3年生でエレクトーンコンクールに出場。周囲の人だけでなく、知らない人からも「すごいよかったよ」と声をかけられ、「自分の演奏で、人の心を動かすことができるんだ、と感動し、エレクトーンを頑張るきっかけになった」そう。「将来はエレクトーンプレイヤーになりたい」と、小学校6年生からはピアノも並行して習い始め、中高時代は月に一度、東京から来る先生のレッスンを受けるヤマハのエレクトーン演奏研究会にも参加。1日5時間は練習をしていました。
高校生の時には新潟県大会で3年連続1位を獲得、卒業後は洗足学園音楽大学電子オルガンコースに進学します。
将来について、「自分がこれまで周囲にしてもらったことが『愛』だとしたら、その愛を自分も伝えたい、教える側になりたい」と考えるようになります。
そんな時、同じ大学の高野さんに誘われ、バンドを組むことに。最初は、「音楽の幅を広げる一環でやってもいいかな」ぐらいの軽い気持ちだったとか。

― いい音楽を作り耳に栄養を与えたい
バンド活動は、これまで経験した個人演奏やエレクトーンのみのアンサンブルとは異なり、「ギター、ベース、ドラムと1人ひとり役割がある」といい、新しい世界が見えてきたそう。「エレクトーン以外の鍵盤楽器を買って、いろんな音を探して音楽の幅を広げることに夢中になったりもしました」。
東京のライブハウスや駅前の路上を中心にライブ活動を行い、大学3年で初のシングルをリリース。卒業後もバンド中心で生活することを決意したそう。そして、卒業後は全国ツアーを精力的に行ない、2020年に満を持してメジャーデビューを果たしました。
コロナ禍の現在、「オンラインライブやインスタ動画で、コメントをもらい、直接反応が見られる媒体があるのは、すごくありがたい。落ち込んでいるときに音楽が気持ちを救い、自分の叫びの代弁をしているというのを改めて実感しました」とも。
今後は、「もっといい音楽を作って、耳に栄養を与えられるようになりたい」と語ります。
保護者へは、「音楽は、感情の表現の一つ。僕もそうでしたが、適当に弾くことがストレス発散になったことも。そんな時は、気持ちをおさめるお薬だと思って、音楽が、嫌な場にならないよう、温かく見守ってあげるといいのではないでしょうか。僕自身もクールダウンができたことで、いろいろ考える瞬間が生まれました」とアドバイスを。

プロフィール
1993年新潟県生まれ。大学在学中にはっとり(Vo/Gt)に誘われ、ロックバンド「マカロニえんぴつ」に加入。ヴォーカルの歌声だけでなく、キーボードの多彩な音色を組み合わせたバンドサウンドが人気に。数々のCMソングやアニメ・テレビ主題歌にも採用。2020年、6thミニアルバム『愛を知らずに魔法は使えない』でメジャーデビュー。2021年4月リリースのメジャー1stシングル「はしりがき」EPが、映画『クレヨンしんちゃん謎メキ!花の天カス学園』主題歌に起用。 https://macaroniempitsu-hashirigaki.com/
Text:Hana Hasegawa










