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1947年大阪生まれ。東京大学教育学部卒業後、同大学大学院教育学研究科に進み、博士課程修了。現在は、東京大学大学院教育学研究学科・教育学部教授。3児の父親として、家事や育児に積極的にかかわってきた実践派でもある。『このままでいいのか、超早期教育』(大月書店)、『親子ストレス』(平凡新書)など著書多数。また講演活動も盛んにおこなっている。 |
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子どもの心の成長にとって、親子のコミュニケーションがとても重要であることは言うまでもありません。しかし現実には乳幼児は、言葉でのコミュニケーションが十分ではありません。サインは、常にしぐさや行動です。たとえば、赤ちゃんの「泣く」というサインは、不快でその感情を外に出すということ以外に、人を呼ぶとか、「泣いてエネルギーを発散したい。今は泣かせてほしい」などの意味があります。ですから、泣いているからといってそうあせる必要はなく、泣きたいのであればある程度泣かせてあげればいいし、抱っこしながら「おっぱいかな、おむつかな、かゆいのかな、さびしいのかな」といろいろ考えて、対応してあげればいいのです。そうやってていねいにレスポンスしてあげていれば子どもは育ちます。子どもは自分で能動的に探索する動物であって、その探索活動を豊かにできるように環境を整えてあげることが、親の重要なつとめなのです。
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そのことに関連して、私は常々「子どもを変にほめるな」ということを言っています。たとえば子どもが絵を描いたとします。それに対して「じょうずだね、じょうずだね」ということばかり言うと、子どもはいつのまにか、親の評価を気にし過ぎるようになってしまいます。それが、人からどう評価されているかということを意識しはじめる時期(だいたい4歳半〜5歳ぐらい)に重なると、じょうずにできないからやりたくないということになりかねないし、また本当はそんなに好きじゃないけどほめられるからやってると、他力本願的になってしまいます。
だから私は、ほめるのではなく、「共感してください」と言うんです。子どもが(じょうずに絵を描けたな)という顔をしていたら「じょうずに描けたわね」と言ってあげればいい。積んだ積み木を崩して悲しい顔をした時には「せっかく一生懸命作ったのに、壊れちゃったねえ」と言ってあげればいい。子どもの気持ちを感じて、その気持ちに共感して、それを親の言葉で表現してあげると、子どもは、自分が主体であってそれに親が共感してくれると、自信を持ってくるんです。それは評価とは違います。評価とは親が主人公ですが、共感は子どもが主人公。これらは似ていますが、ずいぶん違う。これは訓練しなければなかなかできないことですが、いつも「私は今、共感してモノを言っているだろうか」と考えていれば、できるようになります。それができると親子のあいだの関係がすごくよくなります。そして共感とは、人間関係の基本でもあるのです。 |
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もう一つ、私がお母さんにすすめているのが「子どもの立場に立って育児日記を書こう」ということです。日記が苦手な方でも一度挑戦してみてください。まず自分の日記を書きます。「今日はお客さまがきたのに、子どもが騒ぐから早く帰ってもらった。疲れた」と。次にお子さんの立場で書いてみます。「今日はお客さんが来てうれしくて興奮しちゃった。なのにママは静かにしなさい!っていうから、悲しくて泣いちゃった」。そうやって想像して書いてみると、子どもの気持ちや立場もわかってきます。そうすると、子育ても楽しくなってくる。子育てや保育とは、「子どもの観察をどこまで深くできるか」にかかっているのです。(談) |
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