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| 独特の語りを繰り出す一人芝居をはじめ年間100回を超えるステージをこなし、映画・テレビからエッセイ・小説まで幅広くご活躍中の、俳優のイッセー尾形さん。そんなイッセーさんにこの秋、ヤマハ大人の音楽レッスンの雑誌広告に、演奏を愉しむ大人の代表としてご登場いただきました。楽しい撮影だったというイッセーさん、傍らのチェロは大人になってから出逢った楽器とのこと。このチェロ、今ではお芝居でも恒例のネタとして登場する一方、舞台裏や休日のひとときにも欠かせない存在なのだそうです。PMS20周年を記念して、大人の音楽レッスンについてお伺いしました。 |
──どんなきっかけでチェロを始められたのですか?
最近、クラッシックをよく聴いているんです。ホテルのロビーに流れているBGMのようなものから、さあ聴くぞという時はバッハ、ベートーベン、ブラームスなどまで。約10年ほど前に、小澤征爾さんと出逢って、オーケストラと同じ舞台に立って司会する仕事をいただいたんです。するとオーケストラというのはお高くとまっているわけではなくて、体を動かしながら、汗をかきながらあのきれいな音を奏でているんだということがわかったんですね。その時急にオーケストラが身近なものになり、聴く耳も新鮮になってね。小澤さんの指揮するオーケストラの雨が降り注ぐような弦楽器の音の中で、思わずチェロに手を伸ばしたというわけなんです。
──なぜチェロを選ばれたのですか?
チェロを選んだのは、その時にチェリストの堤剛さんの演奏を目の前で聴けたことが大きいですね。また、楽器をどっしりと構えて弓をただ右から左へ動かすという動作が、さほど難しくはない印象だったので、今からでも間に合うかな、と感じました。体力が要るわけでもないし、どうぞ始めてみたら、と誘われた感じでした。
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──チェロは独学で練習されているのですか?
うーん、簡単そうだと思ったのですが……実は、挫折の壁はすぐにやってきましてね(笑)。そんな時にたまたま別のチェリストの方と仕事をする機会があって、やっぱりがんばろうとモチベーションが上がりました。やはり目の前で弾いてもらえると、それまでずっと疑問だったことがたちまち解けたり、演奏だけ聴いていてもなかなかわからないことがじかに体験できますね。たとえば演奏中にどう呼吸するかが、大変重要であることも知りましたし。またレッスンというのは、奏でた音が間近で聴けるだけで素晴らしいし、そもそもご本人が楽しそうに弾いている、その楽しい気持ちが伝染するという効果も抜群ですね。
──レッスンを続けていてよかったことがあったら教えてください
チェロを使ったネタを舞台でもずっとやっているのですが、褒められるとこれがうれしいんですよね、特別に。音がよくなったのかな、なんて思ったりします(笑)。最近は、ああチェロ弾きたいって、時々むちゃくちゃ弾きたくなることがあって、僕にとってチェロはなくてはならないものの一つになってきているようです。
──他に続けていらっしゃる楽器はありますか?
ギターは昔から好きですね。舞台前に楽屋でギターを弾いて、いろんな音の世界を思いつくままに冒険してみる。一方、舞台はセリフをしゃべるのが仕事ですから、音の持つイメージの世界とは対照的で、いわば“脳みそのストレッチ”になるみたいなんです。ギターでリラックスしておくと、セリフでも冒険ができるというのが、僕のひとつのパターンになっています。
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──大人が音楽を習ったり、演奏したりする楽しさとは何でしょうか?
僕はいま全国各地で、演出家の森田雄三の呼びかけで集まった一般の方々が、家の中で忘れられていた楽器をもう一度手にとって生き返らせ、そのウクレレ、バイオリン、ギターなどの演奏を舞台で披露するというワークショップをやっているんです。たった4日間の稽古で、本番の芝居には僕も参加してみんなでひとつの作品を作ります。すると稽古をしているうちにみるみる音が整ってきて、本番ではお客様に向かって演奏することができる。こういった体験は、やはり大人にとってもすごく楽しいし、貴重な機会だと思います。ただ僕自身は、もっと早く音楽の楽しさに出会えていたらなあ、と思います。これまで僕は音楽にあまり多くの時間を割いてこなかったから。でも、だからこそ、お楽しみはこれからですね。
──イッセー尾形さん、ありがとうございました。
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