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現役子育てママがおすすめ絵本をご紹介!

かわいくてユーモラス♪ カエルの絵本

こんにちは!ぷっぷるコラムメンバーズのよこです。

6月に入り、全国的に梅雨の時季を迎えました。雨が多いとジメジメするし、お出かけが大変だし、洗濯物も乾かないし、と私たちはつい憂鬱な気分になってしまいますが、そんななか元気いっぱいな生き物がいます。……そう、カエルです。

実はカエルは、絵本のキャラクターとして大人気。姿かたちや動きがユーモラスで、表情もクルクル変わり、可愛い・面白い・愛すべきキャラクターとして登場することが多いよう。実物のカエルは苦手という人でも、絵本の中のカエルは好き!という人もいるのではないでしょうか。

今回は、そんな「カエル」をテーマにした絵本をご紹介。楽器と歌でみんなを元気にしようと奮闘する『カエルのおんがくたい』、水の中の生き物について詳しくガイドしてくれる『あまがえるりょこうしゃ』の2冊です。ぜひ親子で読んでみてくださいね♪

「カエルのおんがくたい」 作:刀根里衣(小学館)

<1~3歳のお子さんにおすすめ>

雨ばかりで暗ーくどんよりした毎日を元気にしようと、カエルがあることを提案します。「ねえ、みんなー! カエルの おんがくたいを くまない? おんがくで みんなを げんきにしよう!」6匹のカエルたちがそれぞれ楽器を持ち、楽しい音を奏でます。「プープーピーピー ポロポロシャン み~んな げんきにな~れ!」

作者は、イタリアに渡り、ミラノを拠点に創作活動を行っている絵本作家・刀根里衣さん。淡く柔らかなタッチながら、きめ細やかな筆致で、見る者をグッと引き込むイラストが特徴です。この作品も、刀根さん独特の色使いがとても美しく、暗くなりがちな雨の景色も幻想的な世界に仕上がっています。そして何といっても、カエルたちがとってもキュート!色もスタイルも表情もみんな違い、6匹それぞれに個性があって、見ているだけで癒されるんです。

それに、楽器を演奏する様子もすごく楽しそう!カエルたちの表情はもちろんのこと、音の表現も特徴的で、それぞれの楽器からメロディの線が踊るように描かれていてとっても可愛いんです。また「ドンドコドンドコ ピロリンリン」「ピーヒョロヒョロヒョロ チロチロリン」など、リズミカルな言葉も楽しく、元気な音楽がこちらまで聞こえてくるよう。適当な節をつけて歌いながら読んだら、子どもたちもニコニコ楽しそうに聞いていました。

さて、池や花畑、木の上などいろいろな場所でみんなに音楽を届けたカエルたちですが、今度は、眠り続けている太陽を起こすため、なんとお空で演奏することに!トリの背中に乗って、カエルたちは一生懸命に演奏しますが、真っ黒い雲が邪魔をして、太陽まで音が届きません。困ったカエルたちはみんなに呼び掛けました。「みんなのちからが ひつようだ!」「いっしょに うたって たいよう おこそう!」カエルとみんなの音楽は、はたして太陽まで届くのでしょうか……?

この絵本を読んだ後は、実際のカエルの鳴き声が「おんがくたい」に聞こえるかもしれませんね。子どもたちが、雨や生き物など自然の中の音に耳を澄ますキッカケにもなってくれそうな、素敵な絵本です。

「あまがえるりょこうしゃ(トンボいけたんけん)」 作:松岡達英(福音館書店)

<4~6歳のお子さんにおすすめ>

「わたしたち このトンボいけたんけんに さんかしたいんだけど」とやってきたお客さんは、テントウムシ、ダンゴムシ夫婦、カタツムリ。「おひるのおべんとうつきで 500えんです。さあ みなさん わたしのじまんのボートに おのりください」。旅行社の社長・あまがえる君が、ペットボトル製のボートで、トンボ池の探検に出発します。

作者は、「ぴょーん」や「だんごむしシリーズ」などでおなじみの自然科学絵本作家・松岡達英さん。生き物に関しての正確で緻密な描写と、ユーモアあふれる文章が楽しく、私も息子たちも大好きな作家さんです。この作品は、拠点を置く新潟・川口町のアトリエ近くの池を取材して描かれたそう。松岡さんらしい優しいタッチながら、虫や魚の形はとてもリアルで、見ごたえたっぷりです。

そして、あまがえる君のガイドも、かなり本格的。水辺の生き物のことが、とてもよくわかります。まず出会ったのは、背中に卵をうみつけてもらって、子育てしているお父さんのコオイムシ。次は、エサを見つけるため仰向けにひっくりかえって泳いでいるマツモムシ。水の中も外も見ることができるように目が4つもあるミズスマシ……。肉食の昆虫の生態や、厳しい生存競争などもきっちり解説され、楽しさと驚きがいっぱいのツアーになっています。

図鑑のように細部まで詳細に描かれた生き物には、すべて名前が書いてあるので、読むだけで多くの種類の生き物を知ることができます。そして、「ギンヤンマのようちゅうが えさをつかまえましたね。ほーら ぼくも むしをつかまえるときは こんなふうに したをながーくのばします」など、あまがえる君の語り口も面白く、まるで本当に水の中を旅行しているかのよう。ちょっとしたスリルやハプニングもあり、最後まで楽しませてくれるので、子どもたちはのめりこむように聞いていました。

生き物に興味を持たせ、もっとくわしく調べたり、実物を見てみたいという気持ちにさせてくれるこの作品。読んだらぜひ親子で一緒に、自然の中へ足を運んでみてくださいね!

ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

9歳・7歳・5歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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