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現役子育てママがおすすめ絵本をご紹介!

かっこいい!カブトムシ&クワガタムシの絵本

こんにちは! ぷっぷるコラムメンバーズのよこです。

梅雨明けの声も聞こえてきて、いよいよ夏本番。この時季、子どもにぜひ体験させてあげたいことと言えば、海、プール、花火、スイカ割り、そして虫とり!特に子どもたちに大人気の夏の虫「カブトムシ」と「クワガタムシ」は、ぜひ実物を見せてあげたいですよね。

しかし、本物の昆虫を見つけたり、用意するのはなかなか大変。まずは絵本の中で夏の虫と出会うのはいかがでしょうか?

そこで今回は、カブトムシとクワガタムシが活躍する絵本をご紹介。地面や木だけでなく、空まで飛んでしまう楽しさ満点の「カブクワれっしゃ」、小さいカブトムシが努力して本当の“強さ”を手に入れる成長物語「かぶとん」の2冊です。どちらの本も、ほのぼのとした可愛いイラストなので、虫好きな男の子はもちろん、女の子も楽しく読めるはず。ぜひ、親子で読んでみてくださいね。

「カブクワれっしゃ」 作・絵:タツトミ カオ(佼成出版社)

<1~3歳のお子さんにおすすめ>

ここは、ありづか駅の改札口。駅員さんに切符を見せて、小さな虫たちが乗り場へ向かいます。カブトムシが先頭で引っぱり、クワガタムシが最後尾から押す、それが「カブクワれっしゃ」。木の実をくり抜いて連結した客車に乗りこみます。「おのりの かたは、おいそぎください。まもなく はっしゃいたしまーす」「ぷるるるるる……しゅっぱつしんこーう!」

出発のありづか駅~くさむらがおか駅~けやきのもり駅~終点はなのその駅まで、列車が走って行く様子が楽しく描かれているこの作品。急な登り坂(というか木登りだからほぼ垂直!)を進んだり、樹液のジューススタンドでひと息入れたり(お客さんだけでなくカブ・クワも休憩!)、オニヤンマの踏切があったり(黄色と黒のしま模様はまさに遮断機!)、昆虫列車ならではの発想がとっても面白いんです。

また、ページの端から端まで、細かく丁寧に描かれていて、売店やお土産屋さん、ベンチや看板など、何度読んでも新しい発見があります。また、カブトムシやクワガタムシの他にも、乗客としてダンゴムシやテントウムシ、バッタやシャクトリムシなど、たくさんの虫たちが登場。「アリさん家族がおじいちゃんちに来たんだね」「羽をケガしたチョウチョは病院に行くのかな?」など、それぞれのストーリーを追って、会話しながら読むと、さらに楽しめます。

さて、けやきのもり駅を出発すると、ここからは路線が変更。先頭のカブトムシが気合いを入れると……「びゅ~ん!」木から飛び立って、なんと空中飛行です。雲のトンネルに入ると、「わあ、もこもこだ!」とお客さんは大喜び。ところが、トンネルを出たとたん、カラスに会ってしまいました。「うまそうだなあ~」「ひゃあ~、たすけて~!」……さあ、カブクワれっしゃは、このピンチをどう切り抜けるのでしょうか?続きが気になる方は、ぜひ読んでみてくださいね。

「かぶとん」 作・絵:みうら し~まる(鈴木出版)

<4~6歳のお子さんにおすすめ>

かぶとんは小さなカブトムシ。大好物のクヌギの木の甘い汁を見つけても、大きなカブトムシやクワガタの兄弟に横取りされてしまいます。「ぼく、どうして こんなに ちいさくて よわいのかなあ…」そこに通りかかったのが、自分の何倍もある大きな荷物を軽々と運ぶアリさん。「うわー、すごいなあ。アリさんって ちからもち!」そこでかぶとんは、アリじいさんに頼んで、力持ちになるための練習を始めますが……。

作者は、オイルパステルを使ったあたたかい画風で活躍中の絵本作家みうらし~まるさん。この作品も、鮮やかな色彩で力強いタッチながら、柔らかみのある雰囲気のイラストで、子どもも虫たちの世界にすんなり入っていけました。そして、何よりかぶとんがとってもキュート!表情豊かにデフォルメされた他の虫たちも可愛らしく、虫が得意ではない子やママたちも読みやすいと思います。

「さいしょから、ちからもちってわけじゃないぞ。いっぱい れんしゅうしたから ちからもちに なったんじゃ」というアリじいさんの言葉を聞き、かぶとんの猛特訓が始まりました。「もっと こしを おとして」「もっとはやく」「おなかに ちからを いれるんじゃ」……つらい練習にも頑張って耐え、努力する姿が何ともけなげで、応援したくなってしまいます。

そんなある日、かぶとんをいじめたあの大きなカブトムシが、クヌギの木の下敷きに。みんながどうすることもできない中、かぶとんは「アリじいさん、ぼく やってみる!」と、木の下の小さな隙間にもぐりこみます。お腹に力を入れ、力いっぱい踏ん張ると、木がほんの少しだけ持ちあがりました。それを見たクワガタの兄弟や他の虫たちも加わり、みんなで力をあわせると…「ごろん!」ついに木が動いて、大きなカブトムシの救出に成功!「かぶとん、カッコイイ!」年長の末っ子が目をキラキラさせて言っていたのが印象的でした。

強くなった結果けんかで打ち負かす、ではなく、強くなって自分にいじわるをした者を助けてあげる、という結末がとっても素敵。力持ちになったかぶとんは、体はもちろん、心まで本当に強くなったのですね。努力すること、くじけないこと、あきらめないこと、そして仲間を思いやることの素晴らしさを感じることができる作品です。

ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

9歳・7歳・5歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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