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現役子育てママがおすすめ絵本をご紹介!

できるかな? おかたづけの絵本

こんにちは! ぷっぷるコラムメンバーズのよこです。

あっという間に12月も半ばになり、令和元年ももうすぐ終わり。
一年の締めくくりに大掃除や断捨離をするご家庭も多いのではないでしょうか?

我が家も毎年家族全員で大掃除をしますが、子どもに片付けのやり方を教えるのってなかなか難しいもの。それでなくても毎日子どもに「おもちゃ片付けなさーい!」「片付けられないなら捨てちゃうよ!」などと言っていて良くないなぁ……と思っていたところでした。

そんな困ったときに役立ってくれるのが、片付けをテーマにした絵本たち。
「用途の違うおもちゃを一緒に入れるとこんな困ることがあるよ」、「おもちゃにもそれぞれ帰る場所があるよ」、「もっとこうすると使いやすいし、片付けもしやすくなるよ」……そんなアドバイスを、子どもにもわかりやすい理由をつけて、優しく教えてくれます。

今回ご紹介するのは、親と子のどちらにも優しいお片付けの導入書のような絵本2冊です。 ぜひ一緒に読んで、親子で楽しくお片付けをしてみてくださいね!

「おうちにかえろう」 作:青山 邦彦(白泉社)

<1~3歳のお子さんにおすすめ>

「もうすぐ ごはんよ。おへやを かたづけなさい」。見渡すと部屋には、つみきや絵本、ぬいぐるみなど、おもちゃがいっぱい。そこで、くまのお兄ちゃんは言いました。「ようし、じゃあ みんな おうちへ かえろう!」。ここはクレヨンのおうち、ここはつみきのおうち……そう、片付けを「おうちにかえる」と位置付けて、楽しくスムーズに進める作戦なのです。言い方ひとつで、ずいぶん気持ちが違うものだなぁと驚いてしまいました。

作者は、『ドワーフじいさんのいえづくり』『たのしいたてもの』などでおなじみの青山邦彦さん。文章は少なく、物語もシンプルなのですが、温かみのある丁寧なイラストがとっても素敵。とくに、前職が建築家という青山さんらしく、家の中の設計は細部に至るまで細かく、緻密に描かれています。お片付けをする中でも、木のぬくもりのある木工おもちゃ、お人形の棚や絵本棚、クローゼットや食器棚などに生活感が感じられ、とても可愛らしいんです。子どもだけでなく、大人もついつい見入ってしまいました。

また、よく見ると、片付けられるおもちゃ・靴・食器などには、可愛らしいお顔が! きちんと箱に入ったつみきたちはみんなニコニコ。片付け途中に落とされた絵本はちょっと痛そう。重なってしまったお皿は困っているお顔……など、表情に込められたサブストーリーも面白く、親しみがわいてきます。我が家の子どもたちも、おもちゃの顔が気になるらしく、各ページをじっくり見て楽しんでいました。

ご飯を食べて、食器をしまったら、すっかり夜。家の中もすっきり綺麗になり、「みんな おうちに かえったよ」「おやすみなさい、また あした!」 最後の見開きは、みんなが寝る直前の二階建ての家の断面図。木目の美しい調度品や整った中身、見やすく片付けやすい配置など、こんなお家に住みたいな~と思ってしまいました。家の中のいろんな物には、戻るおうちがあるんだよ、とお片付けを優しく簡潔に教えてくれる、素敵な作品です。

「ななちゃんのおかたづけ」 絵・文:つがね ちかこ/おかたづけアドバイス:鈴木尚子(赤ちゃんとママ社)

<4~6歳のお子さんにおすすめ>

「ななちゃん おかたづけが できたら おやつにしましょうね」ななちゃんは急いでおもちゃをかき集めると、おもちゃ箱にぽんぽん放り込みました。だけど、本当にそれでいいのかな……?「やーだよ!」「ぼくたちの かえるばしょは このはこじゃないよ!」おもちゃたちが箱からどんどん飛び出していくではありませんか。びっくりするななちゃんに、おもちゃたちは言うのです。「ななちゃんのおかたづけは おかたづけになってなーい!」

そして、ぬいぐるみのカンガルーのぼうやがママを探してポケットに入り、嬉しそうな顔をしているのを見て、ななちゃんは気づきます。「もしかして みんなにも かえりたいおうちが あるの?」 さらに、人形のメアリーが、クレヨンと一緒だったせいでドレスが汚れたと大泣きする姿を見て、ななちゃんは決意します。「わかった! わたし ちゃんと かたづける!!」

「きちんと片付けましょう」というメッセージがあるだけでなく、「片付けとは何か?」という片付けの本質が、小さな子どもにわかるようになっているところがこの絵本のポイント。人形のお洋服が汚れてしまったり、帰る場所があるのにそこに帰れないで困っていたりする設定は、子ども心にも“ちゃんとしてあげたい”と思う気持ちが出てくるみたい。何より「おもちゃにもかえりたいおうちがある」という表現は、子どもにもわかりやすく、「片付けなさい!」というより、よっぽど素敵な言葉ですよね。物にもちゃんと心があって、大事にしないとダメなんだよ、と言葉で教えなくても、この絵本を読んであげれば、自然に子どもが心で理解できるかもしれません。

さて、ななちゃんは、おもちゃたちと相談しながら、本当のお片付けに挑戦していきます。おままごとや楽器類などの仲間同士に分けたり、お絵かきや工作用品をしまうお道具箱を作ったり。出しやすく、しまいやすいように工夫しながら片付けるのです。帰るおうちの決まったおもちゃたちは嬉しそう。そして、片付けられた部屋の気持ち良さも存分に伝わってきました。

うちの息子たちも、遊びたいおもちゃを探しては「見つからない」「ママ探して」と泣く、ななちゃんタイプ。この絵本を一緒に読んだあとは、なにか気づくものがあったのか、たくさんの箱を用意して「おうち」を作っていました。また、巻末に書かれた鈴木尚子さんによる「かたづけのしくみ3ステップ」もとても役に立ちます。読んだ後は、なんだか心もすっきり! 子どもが読んで納得しやすく、親が読んでも為になる絵本です。

ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

10歳・8歳・5歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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