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現役子育てママがおすすめ絵本をご紹介!

今年の干支! ねずみが主役の絵本

こんにちは! ぷっぷるコラムメンバーズのよこです。

2020年の干支は、子(ね)。子年=ねずみ年です。
子(ね)は、十二支の中でも1番目にあたります。また、ねずみは子どもをたくさん産むことから、繁栄の象徴ともいわれているそう。なんだか縁起がいいですね。

小さいながらも、すばしっこくて、愛らしい。マメに動き、賢く知恵を働かせる……。
そんなイメージのねずみですが、実は絵本の世界でも大活躍。
「ぐりとぐら」のようにロングセラーとして子どもたちに読み継がれているもの、また新しい作品のキャラクターとしても、ねずみは大人気なのです。

そこで今回は、そんな「ねずみ」が主人公の絵本を2冊ご紹介。
干支の話などもしながら、ぜひ親子で読んでみて下さいね。

「ねずみさんのながいパン」 作:多田 ヒロシ(こぐま社)

<1~3歳のお子さんにおすすめ>

ねずみさんがとっても長~いパンを持って、とっとこ、とっとこ走っています。どこに行くのでしょう? 「このうちかな?」とゾウさんやキリンさんの家を覗いてみると、もうすでに家族そろってお食事中。さて、ねずみさんの向かう先は……?

優しい色使いでちょっぴりレトロな雰囲気の絵がかわいい多田ヒロシさんの作品です。ねずみさんがいろいろな動物の家に寄り道しては、また走り出す、という繰り返しの構成が、小さな子どもたちに大人気。次はどの動物の家に行くのかなとワクワクするし、動物たちの家の造形がそれぞれを模した建物になっているので、「誰の家かな?」と当てっこするのも楽しいんです。

そして、家の外観の次ページをめくると、どの家でも家族そろって食卓を囲み、笑顔で美味しそうに食事をしています。しかも、家族構成や食事の内容も、ぞれぞれの動物によって違うんです。キリンさんは野菜のサンドイッチ、ライオンさんはステーキにハンバーグ、うさぎさんはにんじんスープににんじんパン、といった具合。どれも美味しそうで、食いしん坊の我が子は絵本に手を伸ばし、食べる真似をしていました(笑)。

さて、その後ねずみさんは、天敵(?)であるねこさんの家の前を通ってしまうというハプニングを乗り越え、ようやく目的地に到着。そこは、お腹ペコペコの家族たちが待つ自分のおうちでした。長いパンと大きなチーズをみんなで分けて「いただきまーす」。子だくさんのねずみさん一家が、全員そろって食事をする様子は圧巻! なるほど、これだけの大家族がみんなで分けて食べるには、それだけ長~いパンが必要だったというわけですね。

一生懸命にパンを運ぶねずみさんの姿や、いろいろな動物たちの家族団らんの様子を見て、読んだ後は自然とあたたかい気分になれるはず。「次は誰が出てくるかな」「ライオンさんはお肉が好きなんだね」「ねずみさんの家族は何匹かな?」など、ぜひ親子で会話を楽しみながら読んでみてくださいね。

「5ひきのすてきなねずみ おんがくかいのよる」 作・絵:たしろ ちさと(ほるぷ出版)

<4~6歳のお子さんにおすすめ>

ある満月の晩、どこからか聞こえてくる音楽に誘われて、歩きだした5ひきのねずみたち。公園まで来ると音はだんだん大きくなり、そこには「かえるのおんがくかい かえるでないもの おことわり」の看板が。5匹がそーっとのぞいてみると、月明かりの下で、たくさんのかえるたちが歌っています。美しいメロディーに夢中で聞き入っていましたが、「ここは かえるだけ。そういう きまりですケロ!」と追い出されてしまって……。

作者は、海外でも評価の高い絵本作家・たしろちさとさん。この作品も、たしろさんの描くイラストが本当に素敵で、1ページ1ページが絵画の作品のよう! 筆跡が残るダイナミックさがありつつも、物や背景の描写には繊細さもあり、読み聞かせながらもつい見入ってしまいました。また、「ぐれ」「くろ」「しろこ」「ちゃたろう」「ちびすけ」の5匹のねずみもとても魅力的。5匹それぞれの個性が絵の端々から伝わってきて、本当にねずみたちの世界に迷い込んだ気分になります。

さて、追い出されたねずみたちは、かえるの素晴らしい音楽会のことが忘れられません。そこで、自分たちも楽器を作って演奏し、ねずみの音楽会を開くことを思いつきます。翌朝、街のあちこちに出かけていって、楽器の材料を集めるねずみたち。短い鉛筆で木琴、空き缶でドラム、マッチ箱でバイオリン……など、アイデア満載! 我が家の息子たちも、ねずみたちの工夫を凝らした楽器が面白いらしく、手作りする場面に興味津々でした。

そして、いよいよ音楽会当日。満員の客席からは、曲が終わるたびに大きな拍手が起こります。そしてなんと会場には、あのかえるたちも来ているではありませんか! ねずみのお面をかぶったり、顔にひげを書いたりして、こっそり紛れ込んでいる様子がなんともユーモラスです。

もちろん、かえるたちをこころよく歓迎した5匹のねずみ。以前かえるが歌っていた『つきのかなたに』を演奏し始めると、かえるもねずみも一緒になって歌いだします。なんて素晴らしい音楽会でしょう! 音楽には、心をひとつにする力があるのですね。曲を奏でるねずみたちの表情もとても楽しそうで、今にも美しい音楽が聞こえてきそうな、素敵な作品です。

ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

10歳・8歳・5歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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