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現役子育てママがおすすめ絵本をご紹介!

お花も虫さんもおはよう! 春の生き物の絵本

こんにちは! ぷっぷるコラムメンバーズのよこです。

厳しい冬の寒さから、少しずつ暖かさが増し、春の到来を感じるこの頃。
ポカポカした陽気に誘われるように、あちらこちらで花が咲き、虫や生き物たちも元気に動き出します。

今回は、そんなこの時期ならではの景色が楽しめる絵本をご紹介。
きゅうこん坊やといもむし君が変身しながら長~いかくれんぼを楽しむ「もーいいかい まぁだだよ」、女の子が育てたモンシロチョウが素敵な魔法を届けてくれる「なのはなごう しゅっぱつしんこう!」の2冊です。

読み聞かせ後に外へ出てみれば、よりいっそう春を身近に感じられるはず。
少しずつ移りゆく季節を、絵本を読みながらお子さまと一緒に楽しんでくださいね。

「もーいいかい まぁだだよ」 作・絵:平出 衛(福音館書店)

<1~3歳のお子さんにおすすめ>

きゅうこん坊やといもむし君が、かくれんぼを始めました。ところが、土の中のきゅうこん坊やが「もーいいかい」といくら聞いても、地上のいもむし君はずーっと「まぁだだよ」。美味しそうな葉っぱを探したり、むしゃむしゃ食べたり、なんとしまいには「すや すや ぐー ぐー」と、さなぎになってしまいます。

「おっといけない。ねちゃったよぉ」と起きるいもむし君に、きゅうこん坊やが大きな声でもう一度「もーいいかい!」。すると、ちょうちょになったいもむし君が「もぉ いいよぉ!」。さて、きゅうこん坊やは、ちょうちょになったいもむし君を見つけることができるのでしょうか…?

きゅうこん坊やといもむし君のやりとりが、ユーモラスにいきいきと描かれているこの作品。「もーいいかい」の時のきゅうこん坊やの表情がだんだん『早くしてよ~』という表情に変わっていく様子や、いもむし君が「まぁだだよ」という言葉のほかにも、いろんな言葉をつぶやいていて、それがなんとも可愛くて、読んでいる方も思わず笑ってしまいました。

さて、「さがしに いくよ!」と張り切ったきゅうこん坊やは、にょきにょきと芽を出し、どんどん伸びて、「すくすく」「ぽぁ」と花を咲かせ……でも、あれ? どこだろう? 春の野原で、チューリップになったきゅうこん坊やは、ちょうちょになったいもむし君を一生懸命に探すのですが……。

このかくれんぼ終盤のシーンは、大きく広がる観音開きのページになっています。開くとそこは、春爛漫のお花畑! いろんな種類の花や草木、集まってくる虫たちもたくさん。しかも、お花にはぜ~んぶニコニコの笑顔が描かれているんです! 息子もこのページを最初に見たとき「うわぁ~!」と目を輝かせていました。春が来た喜びを存分に感じ取ることができると思います。

いもむしがさなぎから蝶になる様子や、球根から芽が出て花を咲かせる様子、最後のちょっとした仕掛けなどが、まるで小さい子にも楽しめる理科の教科書のよう。ぜひお子さまと一緒に、わくわくしながら春のかくれんぼを楽しんでください♪

「なのはなごう しゅっぱつしんこう!」 作:尾崎美紀/絵:まるやま あやこ(ひさかたチャイルド)

<4~6歳のお子さんにおすすめ>

おばあちゃんの作るロールキャベツが大好きななずなちゃん。でも、今年は小さな弟がいるので遊びに行けません。そんな中おばあちゃんは、畑でとれた大きな春キャベツを送ってくれました。小さなお友だち、あおむし君も一緒に。なずなちゃんに育てられたあおむし君は、どんどん成長し、やがてモンシロチョウになりました。蝶が飛び立つとき、なずなちゃんは言いました。「なずなの かわりに おばあちゃんちに あそびに いってあげてね」……。

満開の桜、瑞々しい春キャベツ、一面の菜の花畑など、春の風物詩がたくさん登場し、読んでいるだけで春を存分に味わえるこの絵本。優しく細やかなタッチと、ふんわりあたたかい色づかいが特徴のまるやまさんの絵は、春の雰囲気にピッタリです。また、尾崎さんの紡ぐ物語も春のにおいがいっぱい。後半は、心温まるファンタジーの世界へと誘ってくれます。

さて、モンシロチョウが飛び立った翌朝。なずなちゃんのもとにバスの切符が届き、真っ白な服を着た運転手がやってきます。「なのはなごう まもなく しゅっぱつでーす」突然あらわれた黄色いバス“なのはなごう”に、お母さんと弟とともに乗りこみ、いざ出発! バスは街を飛び出し、川を越えて、走り続けました。はたして、なずなちゃんは、おばあちゃんのロールキャベツを食べることができたのでしょうか…?

途中「なのはなごう」に乗ったなずなちゃんの眼下には、桜のじゅうたんが広がるのですが、これがとっても素敵なんです! まさに「はるの まんなかを はしっていく」みたい。そして無事おばあちゃんの家に到着すると、菜の花畑とモンシロチョウがお出迎え。なずなちゃんとおばあちゃんが抱き合う姿は、二人の嬉しい気持ちが伝わってきて、こちらまで幸せな気分になりました。

読み終わった後も余韻は続き、「おばあちゃんちへ行きたい気持ちが、モンシロチョウに伝わったのかな~」とか、「ぼくも『なのはなごう』に乗って、ばぁばのおうちに行きたいなぁ」など、会話が盛り上がりました。優しい春の魔法のような、夢のある素敵な物語です。

ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

10歳・8歳・6歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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