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現役子育てママがおすすめ絵本をご紹介!

こわい?でもやっぱり読みたい!「おばけの絵本」

こんにちは! ぷっぷるコラムメンバーズのよこです。

子どもたちにとって、「おばけ」は、とっても気になる存在。「きゃー!」「こわい!」なんて言いながらも、意外とおばけの話をしたり、聞いたりするのが好きだったりしますよね。

そんなおばけたちが登場する絵本は、世界各国で数多く出版されてきました。目に見えないおばけの世界は、子どもたちの想像力をかきたてるのにもってこいなのです。

そこで今回は、ちょっと怖いおばけの存在が、少し身近に感じられる作品をご紹介。音楽好きなおばけたちが愉快な演奏会を繰り広げる「おばけのコンサート」、おばけの楽しい暮らしが覗き見できる「おばけかぞくのいちにち」の2冊です。

不思議でかわいい、ちょっと怖いけど面白い、そんなおばけの世界を親子で楽しんでくださいね!

「おばけのコンサート」 作・絵:たむら しげる(福音館書店)

<1~3歳のお子さんにおすすめ>

小さなおばけはハーモニカが得意。ある夜、いつものようにハーモニカを吹いていると、「トントン!」と誰かがドアを叩きました。やってきたのは、バイオリンを持った森の木のおばけ。「いっしょにやろう」とセッションが始まりました。やがて、それを聞きつけた他のおばけたちも、どんどん家に集まってきて……。

おばけと言ってもちっとも怖くない、ユーモラスで楽しいおばけたちが主人公。登場するのは、木のおばけ・水のおばけ・サボテンおばけ・ガイコツ・おばけぐも……いろいろな仲間が出てくるので、ワクワクしてしまいます。我が家の子どもたちも、「トントン!」とドアが鳴るたびに、次はだれ?どんなおばけが出てくるの?と、待ちきれない様子でページをめくっていました。

そして、そのおばけたちが奏でる音もまた個性的! ハーモニカは「フォンファー フーファン」、バイオリンは「キューキコ ホーホー」、オーボエは「プッポーフォン プッポーフォン」……特に息子が好きなのはガイコツの「コンカラ ポコポク」(ほねたたきの音)、私のお気に入りはおばけぐもの「プンピン ポロロン」(クモの糸のハープの音)。とってもリズミカルなので、声に出すと読んでいるほうも楽しくなってきます。

さて、全員そろって演奏していると、家が「グラッ グラッ」と揺れ始めるではありませんか。地震?……と思いきや、なんと揺れていたのは家のおばけ!「ダンスが とくいじゃよ」といって、リズムにあわせて踊ります。そのうち気づけば、森の木や花、動物たちもやってきて、まるで野外フェスのような盛り上がりに。最後は「ブラボー!」と拍手が送られて、おばけのコンサートはおしまいです。

演奏が終わってほっとしていると、また「トントン!」。なんとおばけの苦手な〇〇が訪ねてきて、みんなびっくり!あわてて帰っていくおばけたちに、息子も私も大笑いしてしまいました。さて、誰が訪ねてきたのでしょう?ぜひ実際に手にとって確かめてみてくださいね♪

「おばけかぞくのいちにち」 作:西平 あかね(福音館書店)

<4~6歳のお子さんにおすすめ>

夜、さきちゃんとたろうくんがなかなか寝ないと、お母さんがいいます。「もう、おばけの時間よ」……そうなんです。おばけは、夜に起きて、ご飯を食べて、仕事や保育園に行くのです。

おばけ(さくぴー&たろぽう姉弟)家族の一日と、人間(さきちゃん&たろう姉弟)家族の一日が同時進行で描かれているこの絵本。さきちゃんたちと昼夜逆転のおばけ家族は、夜起きて、仕事や保育園に行って、朝寝て……生活サイクルは真逆だけど、人間とそっくりな暮らしぶり。左ページが人間の生活、右ページがおばけの生活、と対比させてあって、それがとっても面白いのです。

このシリーズは、作者の西平あかねさんの息子さんが「おばけって昼間はどうしているのかな」と話していたことから発想されたのだそう。怖がりの息子さんのために、森の妖精のような、身近な可愛らしいおばけが生まれたのだそうです。

さて、人間にも一日やることがあるように、おばけたちも結構忙しそう。お父さんは仕事に行き、お母さんは買い物に行ってご飯を作り、子どもたちは保育園に行く……。でも、そこはやっぱりおばけ家族。なんと、お父さんおばけの仕事は「ひとを おどかす しごと」だし、お母さんおばけは「くものすスープ」や「どくきのこサラダ」を作るんです!子どもたちは特にスーパーで売られている変わった食材に興味津々。おしゃべりいわし、かえるのへそ、うそつきバナナ、ヘビのヘソマキ……! 細かいところまで描きこまれているので、夢中で見入っていました。

朝になると「ねないと あしが はえてきて にんげんに なっちゃうわよ~」と、お母さんおばけは二人を寝かしつけました。そして昼間、家族が寝ているうちに、こっそり遊びに抜け出すたろぽう……すると、本当に足がはえてきてしまうのです!この場面では、私も子どもたちもハラハラドキドキ。大急ぎで家に帰り、布団に入ったたろぽうでしたが、なんと、おねしょをしたら足が消えて元通りに!これには思わず親子で笑ってしまいました。

おばけはただ怖いだけじゃない、彼らにも生活があって、私たちの知らないところで生き生きと暮らしているのかも……そんな楽しい想像が膨らむ、素敵な作品です。

ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

10歳・8歳・6歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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