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現役子育てママがおすすめ絵本をご紹介!

お母さんが癒される絵本

こんにちは! ぷっぷるコラムメンバーズのよこです。

今年も気づけば、あっという間に12月。
子育て中の皆さんは、仕事に家事に育児に、忙しい一年だったと思います。
そんな、疲れがたまってしまった……というときには、ぜひ、絵本を手にとってみてください。
美しい絵と心に残るメッセージにはリラックス効果がありますし、家族や愛情をテーマにした内容なら、改めて子どもの大切さを感じられるきっかけにもなるはずです。

今回は、子どもを持つお母さんたちが、励まされ、癒され、幸せを感じることができる絵本をご紹介。2冊とも心にぐっとくる素敵な作品です。時には子どものためだけでなく、自分自身のためにも、ぜひ、絵本で癒される時間をつくってみてくださいね。

「あかちゃんがわらうから」 作:おーなり由子(ブロンズ新社)

<1~3歳のお子さんのママにおすすめ>

私がうれしい時「あかちゃんが わらう」、私が悲しい時「あかちゃんが わらう」、私が心を心配事でいっぱいにしている時だって「あかちゃんが わらう」。そう、悲しいニュースに触れ、心がふさいで土砂降りのような気持ちになってしまった時でも、赤ちゃんは力強く笑い、未来への希望や、命の尊さを感じさせてくれるのです……。

東日本大震災の被災地の女性が言った、「赤ちゃんが笑うから、私は大丈夫です」という言葉に、作者のおーなり由子さんが心を動かされたことから生まれた1冊。震災当時は、私も幼い長男を抱え、次男を妊娠中。先の見えない状況で、途方に暮れていたことを思い出しました。でも、そんなときでも、笑った赤ちゃんの顔ほど無敵で、癒されるものはないんですよね。

絵本の中でも、笑っている顔、ぎゅっと服をつかんでいる小さな手、腕の中で抱かれている丸い身体……どの場面でも、まるでお日様のように明るい光を放っている赤ちゃん。小さいけれど、生きようとする生命力に満ち溢れている……そんな赤ちゃんが笑うから、落ち込んでも、泣いても、疲れても、お母さんは毎日頑張って日々を紡いでいくことができるのかもしれません。

元気いっぱいの子どもたちが、生き生きとした表情で描かれる場面には、「ぼくらを よわいと 決めつけないでよ!」「ぼくらは、生きたい」「あいしたい」「いっぱい あそびたい!」という力強い言葉が添えられています。初めての育児だと特に、不安や心配でお母さんはいっぱいいっぱい。でも、実は赤ちゃんや子どもは、私たちが考えている以上に、明るくてたくましいもの。子どもの未来を憂うより、その強さを信じようと、ハッとさせられました。

そして最後には、「うれしいこと あるよ」「ここに ぜんぶ あるよ」と、“今このとき”を見つめる大切さを教えてくれます。「ほら ここに わたしを だきしめてくれる ちいさな手」——そうか、私が子どもを抱っこしていると思ったけれど、本当は逆で、子どもに抱きしめられているんだ——。そう思うと、目の前の子どもをいっそう愛おしく感じました。

淡い色彩の柔らかなイラストと、語り掛けられるような優しいメッセージ。心にそっと灯りをともしてくれるような素敵な絵本です。

「ちょっとだけ」 作:瀧村有子/絵:鈴木永子(福音館書店)

<4~6歳のお子さんのママにおすすめ>

弟が生まれて、なっちゃんはお姉さんになりました。お母さんは赤ちゃんのお世話で忙しいので、なっちゃんはいろんなことを自分ひとりでやってみます。お買い物に行くときはママのスカートを「ちょっとだけ」つかんで歩き、牛乳をコップにひとりで「ちょっとだけ」入れられて、ひとりで遊んだブランコも「ちょっとだけ」ゆれて……。

赤ちゃんのお世話で忙しそうなお母さんを見て、自分でいろんなことをやってみようと頑張る「なっちゃん」が主人公。ボタンをかけ違えたり、牛乳をこぼしたりしながら成長していく姿は本当に健気で、つい応援したくなってしまいます。

そんな頑張るなっちゃんですが、眠くなった時だけは、どうしてもお母さんに甘えたくなります。遠慮がちに「ママ、“ちょっとだけ”だっこして」と言うと、お母さんはこう言うのです。

「“ちょっとだけ”じゃなくて、いっぱい だっこしたいんですけど いいですか?」 お母さんも、なっちゃんが赤ちゃんのためにたくさん我慢してくれていることを知っていたのですね。なっちゃんのいじらしさと、お母さんの愛情が込められた言葉に、胸がぎゅーっと締め付けられました。

私がこの絵本をはじめて知ったのは、長男の園の母の日のイベント。先生が「ママたちへ」と、読み聞かせをしてくれたのです。お母さんたちは、なっちゃんの姿に我が子を重ね、子どももまた、なっちゃんの中に自分自身を見出したのでしょう。とても真剣に聞いていました。そして私も、まわりのお母さんたちも、最後はみんな涙、涙……。抱っこしている我が子たちを、“ちょっとだけ”ではなく“いっぱい”、ぎゅーっと抱きしめていました。

母親からすれば「ちゃんと子どものことも考えながら、仕事や家事を一生懸命やっている」つもりなのですが、子どもからするとやっぱり「お母さんはいつも忙しい」なんですよね。少しゆっくりと時間をとって、子どもと向き合おうと思うきっかけを作ってくれました。

今でもときどき子どもと一緒に読み、絵本の言葉を借りて「ママも、ちょっとだけ抱っこしていい?」と聞いたりしています。あっという間に大きくなってしまう子どもとの、今のこの瞬間を大切に、楽しんでいきたいなと思える素晴らしい作品です。

ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

11歳・9歳・6歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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