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  4. 耳の感覚が育つ!高まる!親子で楽しむ「音あそび」 Part4 <今ない音を思い出す>

耳の感覚が育つ!高まる!

親子で楽しむ「音あそび」
Part4 <今ない音を思い出す>

こんにちは! ぷっぷるコラムメンバーズのよこです。

ふだん私たちは「音」というと音楽や話し声などを思い浮かべがちですが、実は身の周りには、音楽以外の〝物音〟や〝生活音〟など、とてもたくさんの音が存在しています。

そうした音楽以外の音に対して、自然に興味を持って意識を向けさせる、独自のワークショップを開催しているのが、作曲家・ピアニスト・音育家である小松正史さん。このメニューで遊び、ふだん聞かない音に注意を向けることで、耳の感覚が高まっていくのだといいます。

そうして「音の聞き方」が変わると、今まで聞こえなかった音や気づかなかったことに気づけるようになり、集中力や創造性、注意力などが向上。また、感性や表現力を育む効果も期待できるのだとか。そして何より、親子が一緒になって音を探したり、音を聞くことを楽しんだりする時間は、きっとかけがえのないものになるはずです。

この連載では、そんな耳の感覚を高めるためのさまざまな「音あそび」を掲載している『賢い子が育つ 耳の体操』(著・小松正史)を参考に、実際に親子で遊んでみた様子をレポート。
今回は、Part4「今ない音を思い出す」の中から2つの遊びをお届けします。


<参考にした本>

「賢い子が育つ 耳の体操」
(ヤマハミュージックメディア)
著者:小松正史さん

作曲家・ピアニスト・音育家。大阪大学大学院(工学研究科・環境工学専攻)修了。博士(工学)。音楽だけではない「音」に注目し、教育・学問・デザインに活かす。専門分野は、音響心理学とサウンドスケープ論。聴覚や身体感覚を研ぎ澄ませる、独自の音育(おといく)ワークショップも全国各地で実践。京都精華大学人文学部教授。









Part4 音を鳴らしてみよう

●今日、起きてから聞いた音● ~身体感覚を活性化する~

起きてから今までに聞いた、いろいろな音を思い出してみましょう。
音から記憶を引き出すことは脳の活性化にもつながるのだとか。

[準備]

場所:部屋の中
用意するもの:筆記用具、机などの台
所要時間:10分

[やり方]

1.起きたとき、最初に聞こえた音を思い出してみる。

2.音を聴いたときのまわりの風景も思い出してみる。

3.思い出した音と風景の様子を、時間順に紙に書いてみる。
(小さなお子さんとやる場合は、保護者の方が書き留めてあげてください)

※静かな場所で行ってください。

[聞く・感じるポイント]

・今日の音の記憶が、どんな風に思い出されたかな?
・いくつの音や記憶を思い出せたかな?

【遊んでみました レポート】

最初は「そんなに思い出せないかもしれないな」と思い、起きてすぐやってみました。
すると「ママが起きるときに鳴る、ベッドの『ギシッ』ていう音」「トイレのドアの音」「外から車の音も聞こえた」という答えで、意外と多くの音を思い出せるんだなぁとびっくり!
その後、何度かやってみると「時計のチクタクなる音」「カラスの鳴き声」「トースターの『チーン』って音」など、回数を重ねるたびに、思い出す音や光景が増えていったようでした。
音の記憶を思い出すと、それに連鎖して他の記憶も思い起こすことがありますが、これは「エピソード記憶」(覚えようと意識していない記憶)と呼ばれ、無意識に覚え込まれていた感覚記憶が浮かび上がる現象なのだそう。音からそのような記憶を引き出すことは、脳の活性化にもつながるようなので、息子と一緒に私もときどきトライしてみようと思います。

●もっとも心に残っている音● ~印象深い音を思い出すことで、自分の原点と出会う~

好きな音、気持ちが良い音、安心する音、驚いた音……
心に強く残っている音の体験を思い出してみましょう。

[準備]

場所:部屋の中
用意するもの:椅子(なければ床に座る)
所要時間:15分

[やり方]

1.あまり深く考えず、ゆったり座る。

2.今まで生きてきた中で、もっとも心に残る音(好きな音、気持ちが良い音、楽しかった音、など)を思い出す。

3.音の記憶から、別の記憶もたどってみる。

※静かな場所で行ってください。

[聞く・感じるポイント]

・頭の中で、心に残っている音がしっかりひびいたかな?

【遊んでみました レポート】

印象深い音の記憶は、自分の中の大切な記憶と結びついていることが多いそう。息子の心に残っている音は何なのか楽しみにしながら、「小さい頃に聞いた“音”で、覚えているものってある?」と聞いてみました。
「ママが絵本を読んでくれた声。寝る前に読んでもらうの楽しみだったから」
「おばあちゃん家の犬の鳴き声。ぼくが小さい時、飛びかかってきてびっくりしたから」
その他にも、初めて聞いたパイプオルガンの音、ダンスレッスンで踊った曲、などが挙がり、その当時を懐かしく思い出したり、別のエピソードに広がったりして、音の体験からさまざまな話題へ発展していく様子が面白かったです。
小さなお子さんで、一人で思い出すのが難しい場合は、「この歌よくうたっていたね」「このオモチャの音がお気に入りだったね」など昔を振り返りつつ、今までの楽しかった音の体験についてお話する、というのでもOK。ぜひ親子でコミュニケーションを楽しんでみてください。


ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

12歳・10歳・7歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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