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耳の感覚が育つ!高まる!

親子で楽しむ「音あそび」
Part5 <外の音を意識する>

ふだん私たちは「音」というと音楽や話し声などを思い浮かべがちですが、実は身の周りには、音楽以外の〝物音〟や〝生活音〟など、とてもたくさんの音が存在しています。

そうした音楽以外の音に対して、自然に興味を持って意識を向けさせる、独自のワークショップを開催しているのが、作曲家・ピアニスト・音育家である小松正史さん。このメニューで遊び、ふだん聞かない音に注意を向けることで、耳の感覚が高まっていくのだといいます。

そうして「音の聞き方」が変わると、今まで聞こえなかった音や気づかなかったことに気づけるようになり、集中力や創造性、注意力などが向上。また、感性や表現力を育む効果も期待できるのだとか。そして何より、親子が一緒になって音を探したり、音を聞くことを楽しんだりする時間は、きっとかけがえのないものになるはずです。

この連載では、そんな耳の感覚を高めるためのさまざまな「音あそび」を掲載している『賢い子が育つ 耳の体操』(著・小松正史)を参考に、実際に親子で遊んでみた様子をレポート。
今回は、Part5「外の音を意識する」の中から2つの遊びをお届けします。


<参考にした本>

「賢い子が育つ 耳の体操」
(ヤマハミュージックメディア)
著者:小松正史さん

作曲家・ピアニスト・音育家。大阪大学大学院(工学研究科・環境工学専攻)修了。博士(工学)。音楽だけではない「音」に注目し、教育・学問・デザインに活かす。専門分野は、音響心理学とサウンドスケープ論。聴覚や身体感覚を研ぎ澄ませる、独自の音育(おといく)ワークショップも全国各地で実践。京都精華大学人文学部教授。









Part5 外の音を意識する

●音いくつ?● ~小さな音にも意識が向けられるようになる~

[準備]

場所:「部屋の中」「屋外」それぞれ1か所ずつ
用意するもの:時計
所要時間:10分

[やり方]

1.部屋の中の好きな場所に立つ。
時計を持った人が「はじめ」の合図をしたら、1分間まわりの音を聞く。

2.音がいくつ聞こえたかを数える。
時計を持った人が「おわり」の合図をしたら、数を伝える。

3.屋外に移動して、同じことをする。

※正解はありません。自分の感覚を大切にしましょう。

[聞く・感じるポイント]

・自分と他人とで、音の数え方はどのように違ったかな?
・部屋の中と外で、音の聞こえ方はどのように違ったかな?

【遊んでみました レポート】

「そんなにいっぱい聞こえるかなぁ」と不安そうにスタートした息子ですが、「小さな音でも、遠くに聞こえる音でもいいんだよ」とアドバイスすると目立たない音にも意識を向け、集中して音を数えられるようになりました。
聞こえた音の数は、室内で4つ(ドアの開閉、PC、電化製品など)、屋外では8つ(車の走行、足音、鳥の鳴き声、人の話し声など)。
「外はたくさん音があって数えきれない~」と驚いていました。
私もやってみましたが、改めて意識を向けてみると、身のまわりには本当に多くの音が存在していて、無意識のうちにその大部分をカットして聞いているんだな、と実感。
「1分間」と決めて実践することで、集中力も高まる気がしました。

●音の地図づくり● ~目に見えない音の世界を、目に見える図として表現する~

[準備]

場所:好きな場所(部屋の中でも屋外でもかまいません)
用意するもの:筆記用具、紙1枚、下敷き(色鉛筆、ペン、筆など、なんでも可)
所要時間:30分程度

[やり方]

1.好きな場所に座る。

2.自分のいる位置を紙にかく。
(✕印○印、好きなアイコン、キャラクターなどを使って自分の位置をかいてみましょう)

3.聞こえてきた音を紙にかく。紙がいっぱいになるまで続ける。
(小さなお子さんで難しければ、保護者の方が一緒にかいてあげてください)

4.完成した絵を、お互いに見せあう。

※かき方は、絵でも文字でもOK。色をつけてもかまいません。
ポイントは、音が発生する位置を意識して、紙にかき込むことです。

[聞く・感じるポイント]

・聞こえてきた音をちゃんと絵にすることができたかな?
・部屋の中と外で、音のかき方はどのように変わったかな?

【遊んでみました レポート】

“聞こえてきた音を絵にする”なんて初めてのことだったので親子でドキドキしながら始めました。
息子はどうかいていいか分からない様子だったので、「自分を真ん中にして、どの方向の、どれくらい遠いところから、どんな音が聞こえてきたか、をかいてみようか♪」と言うと、要領を得て、スラスラ楽しそうにかき出しました。
できあがりを見比べてみると、私はエアコンや冷蔵庫のモーター音など物の音を中心に、息子は人の動く音や息づかいなどを多くかき込んでいて、違いがくっきり!
同じ場所にいるのに、意識する音がまるで違って、とても面白かったです。


ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

12歳・10歳・7歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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