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  4. 親子でできる 脳トレ習慣&遊び Part 7 <利き手と反対の手で歯みがき>

“手指”を動かすと脳が元気に!

親子でできる 脳トレ習慣&遊び
Part 7 <利き手と反対の手で歯みがき>

“身体の外にある脳”と言われるほど多くの神経が通っている、私たちの「手」。
手や指を意識して使うと、脳が刺激を受けて活性化するといいます。
「そのため、ピアノやエレクトーンなどの楽器の演奏は脳にとても良いのですが、手指を動かす遊びや習慣でも同じような効果が期待できるんですよ」と話すのは、「脳の学校」の代表で、小児科医でもある加藤俊徳先生。

そこで、この連載では、加藤先生の指導のもと、日常でできる脳トレとして“手指を動かす習慣&遊び”を紹介していきます。
親子で一緒にやれば、子どもは“脳が育つ”、パパ・ママは“脳が活性化する”かも⁉
ぜひ、ご家族みんなで楽しくやってみてくださいね♪

<監修:加藤俊徳さん>

小児科専門医。株式会社「脳の学校」代表。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授。「脳活性おんどく法」「脳番地トレーニング」の提唱者。MRI脳画像診断、発達脳科学、発達障害・ADHD、認知症の専門家。『男の子は「脳の聞く力」を育てなさい』、『女の子は「脳の見る力」を育てなさい』(共に青春出版社)、『すごい左利き』(ダイヤモンド社)など著書多数。毎週土曜日21:30~22:00「脳活性ラジオ Dr.加藤 脳の学校」(InterFM897)ではパーソナリティを務める。









まずは加藤先生にしつもん!

「どうして手を動かすと、脳が元気になるの?」

脳は、担当する機能や働きによって、聴覚系・視覚系・記憶系・理解系・思考系・伝達系・運動系・感情系の8つのエリアに分かれていますが、このエリアを私は「脳番地」と呼んでいます。脳は一気に丸ごと育つのではなく、“脳番地ごとに”成長するという特徴があります。


[イラスト] 8つの脳番地

なかでも、子どもの脳の発達に欠かせないのが「運動系脳番地」。脳の中心に位置しており、他の脳番地との連携も強いため、“脳の土台”を作るためにとても大切な場所です。

そして、認知症を予防するうえで重要なのも、この「運動系脳番地」。運動することで老化物質(アミロイドβ)が蓄積しづらくなるので、ここを鍛えることが、認知症をくいとめることに繋がります。ですから、子どもと一緒に大人の皆さんも、運動系脳番地を積極的に刺激し、脳を衰えさせないほうがいいのです。

また、運動系脳番地は身体のあらゆる部分を動かすときに働く場所ですが、多くの神経が通っている「手」は特に、脳と密接につながっています。ですから、手を動かすと運動系脳番地がたくさん刺激を受け、脳が効率的に鍛えられるというわけです。


脳トレ習慣&遊び Part 7 利き手と反対の手で歯みがき

[刺激される脳番地]

運動系・感情系

[イラスト] 8つの脳番地:運動系・感情系

[やり方]

1.歯ブラシを利き手で持ち、もう一方の手で歯みがき粉をつけます。


2.歯ブラシを利き手ではないほうに持ち替えて、歯みがきを始めます。


3.慣れてきたら、口や舌を大きく動かしてみましょう。
奥歯をみがくときは口を大きく開ける、下の歯の裏をみがくときは舌を思い切り上げる、前歯のときは口を大きく横に広げる……など。
手だけでなく口の脳番地もよく働き、よりいっそう脳が刺激されます。




[Dr.加藤の脳トレ☆ポイント]

利き手ではない手の不慣れな動きが、脳への新鮮な刺激となる

[イラスト] 利き手ではない手の不慣れな動きが、脳への新鮮な刺激となる

もともと「歯みがき」は手と口の脳番地を同時に使う、非常に効率的な脳の運動。そこにアレンジを加えたのが今回の脳トレです。脳は、右手を使うと左脳が、左手を使うと右脳が働きます。そのため、右利きの人は左脳が、左利きの人は右脳のほうが発達しがちです。
そして、利き手を使うことは習慣化されているので、脳もマンネリになってしまうのですが、利き手と逆の手で作業すると、不慣れなために脳が違和感を覚えます。それが運動系脳番地の動きを促し、効果的な脳トレになるのです。

脳をマンネリ化させず、刺激を与えることは、感情のコントロールにも役立つ

歯みがきができるようになったら、他にも日常のちょっとした動作を利き手と反対の手で行ってみましょう。子どもなら「あくしゅをする」「おやつを食べる」「体を洗う」など。大人なら「捺印する」「拭き掃除をする」「メイクをする」など。脳をマンネリ化させず、新鮮な刺激を加えることは、運動系の隣に位置する感情系脳番地へも良い影響があり、怒りをはじめとした“感情”をコントロールできるようになるという実験結果も出ています。ぜひ、いろいろな動きにチャレンジしてみてください。


【親子でやってみました!レポート】

私も息子も右利きなので、歯ブラシを左手に持ち替えて、歯みがきスタート。
お互いそれぞれに始めてみると、自分の思った通りの場所をみがけなかったり、力加減が強すぎたり、逆に弱すぎたり……。
毎日やっている「歯みがき」なのに二人とも、とってもぎこちない動きになりました(笑)。
私も「利き手ではない」というだけで違和感がすごく、いつもの何倍も“手”や“口”を意識し、集中して歯みがきをした気分です。
息子も慣れない手の動きを面白がっていたようなので、ぜひ他の日常動作にも取り入れたいと思います♪


ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

12歳・10歳・8歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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