耳の感覚が育つ!高まる!
親子で楽しむ「音あそび」
Part6 <応用編~もっと音感覚を磨く~>
ふだん私たちは「音」というと音楽や話し声などを思い浮かべがちですが、実は身の周りには、音楽以外の〝物音〟や〝生活音〟など、とてもたくさんの音が存在しています。
そうした音楽以外の音に対して、自然に興味を持って意識を向けさせる、独自のワークショップを開催しているのが、作曲家・ピアニスト・音育家である小松正史さん。このメニューで遊び、ふだん聞かない音に注意を向けることで、耳の感覚が高まっていくのだといいます。
そうして「音の聞き方」が変わると、今まで聞こえなかった音や気づかなかったことに気づけるようになり、集中力や創造性、注意力などが向上。また、感性や表現力を育む効果も期待できるのだとか。そして何より、親子が一緒になって音を探したり、音を聞くことを楽しんだりする時間は、きっとかけがえのないものになるはずです。
この連載では、そんな耳の感覚を高めるためのさまざまな「音あそび」を掲載している『賢い子が育つ 耳の体操』(著・小松正史)を参考に、実際に親子で遊んでみた様子をレポート。
今回は、Part6「応用編~もっと音感覚を磨く~」の中から2つの遊びをお届けします。
<参考にした本>
「賢い子が育つ 耳の体操」
(ヤマハミュージックメディア)
著者:小松正史さん
作曲家・ピアニスト・音育家。大阪大学大学院(工学研究科・環境工学専攻)修了。博士(工学)。音楽だけではない「音」に注目し、教育・学問・デザインに活かす。専門分野は、音響心理学とサウンドスケープ論。聴覚や身体感覚を研ぎ澄ませる、独自の音育(おといく)ワークショップも全国各地で実践。京都精華大学人文学部教授。
Part6 応用編~もっと音感覚を磨く~
●裸足になって音を聞いてみよう● ~触覚と聴覚のつながりを感じることができる~
[準備]
場所:公園・川辺・神社など、裸足で歩けそうなところ(寒い時期は屋内)
用意するもの:なし
所要時間:15分
[やり方]
※地面にとがった石や異物のないことを確認してから行ってください。
1.靴と靴下を脱いで、地面に素足をつける。
2.足の裏を耳にするイメージで、音を聞いてみる。
[聞く・感じるポイント]
・立ったとき、座ったとき、歩いたときで、聞こえ方は変わったかな?
・地面から伝わる音や振動を感じることができたかな?
【遊んでみました レポート】
近所にある公園の原っぱで試してみました。
家の外で裸足になる機会はほとんどないので、とっても開放的な気分!
はじめはくすぐったがっていた息子も徐々に気持ちよくなってきたようで、足元から響く虫の声、木々から聞こえる鳥の声などに耳を澄まして楽しんでいました。
私も地面に素足をつけると、感覚が研ぎ澄まされていくようで、靴を履いているときよりハッキリと音が聞こえるように感じました。
ぜひ、他の場所でも試してみたいと思います!
●録音してみよう● ~耳の選択能力に気づく~
[準備]
場所:好きな場所
用意するもの:録音機(ICレコーダーやスマホのアプリなど)、イヤホンかヘッドホン
所要時間:10~20分
[やり方]
※イヤホン・ヘッドホンの音量は大きくしすぎないようにしましょう。
また危険な場所には行かないようにしましょう。
1.周囲の音を耳で聞いて、そのあと録音機で録ってみる。
2.録音された音を聞き直してみる。
このときイヤホン(ヘッドホン)を使って、機械の耳(録音機のマイクがとらえる音)を体感する。
[聞く・感じるポイント]
・自分の聞き逃していた音を、機械はとらえていたかな?
・自分の耳で感じた音量と、録音された音量に、違いはあったかな?
【遊んでみました レポート】
私が仕事で使っているICレコーダーを使って、家の前の通りの音を録音してみました。
その後、イヤホンを使い、聞き直すと……
「え⁉風ってこんなに強く吹いてた?」「自転車の音も大きく聞こえる!」とびっくり。
その他にも、モーター音、飛行機の音、人の歩く音など、録音してはじめて存在に気づく音がたくさんありました。
普段は無意識のうちに、周囲にある多くの音から、大切だと思うものだけを選んで聞いているんだな~と実感。
息子はよほど楽しかったのか、その後も部屋の中や窓の外、兄弟の会話などを録音し、聞き直しては楽しんでいました♪
ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)
12歳・10歳・8歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。