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  4. 親子でできる 脳トレ習慣&遊び Part 8 <空書(くうしょ)あそび>

“手指”を動かすと脳が元気に!

親子でできる 脳トレ習慣&遊び
Part 8 <空書(くうしょ)あそび>

“身体の外にある脳”と言われるほど多くの神経が通っている、私たちの「手」。
手や指を意識して使うと、脳が刺激を受けて活性化するといいます。
「そのため、ピアノやエレクトーンなどの楽器の演奏は脳にとても良いのですが、手指を動かす遊びや習慣でも同じような効果が期待できるんですよ」と話すのは、「脳の学校」の代表で、小児科医でもある加藤俊徳先生。

そこで、この連載では、加藤先生の指導のもと、日常でできる脳トレとして“手指を動かす習慣&遊び”を紹介していきます。
親子で一緒にやれば、子どもは“脳が育つ”、パパ・ママは“脳が活性化する”かも!?
ぜひ、ご家族みんなで楽しくやってみてくださいね♪

<監修:加藤俊徳さん>

小児科専門医。株式会社「脳の学校」代表。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授。「脳活性おんどく法」「脳番地トレーニング」の提唱者。MRI脳画像診断・発達脳科学・発達障害・ADHD、認知症の専門家。『男の子は「脳の聞く力」を育てなさい』、『女の子は「脳の見る力」を育てなさい』(共に青春出版社)、『すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『寝るまえ1分おんどく』(西東社)など著書・監修書多数。









まずは加藤先生にしつもん!

「どうして手を動かすと、脳が元気になるの?」

脳は、担当する機能や働きによって、聴覚系・視覚系・記憶系・理解系・思考系・伝達系・運動系・感情系の8つのエリアに分かれていますが、このエリアを私は「脳番地」と呼んでいます。脳は一気に丸ごと育つのではなく、“脳番地ごとに”成長するという特徴があります。


[イラスト] 8つの脳番地

なかでも、子どもの脳の発達に欠かせないのが「運動系脳番地」。脳の中心に位置しており、他の脳番地との連携も強いため、“脳の土台”を作るためにとても大切な場所です。

そして、認知症を予防するうえで重要なのも、この「運動系脳番地」。運動することで老化物質(アミロイドβ)が蓄積しづらくなるので、ここを鍛えることが、認知症をくいとめることに繋がります。ですから、子どもと一緒に大人の皆さんも、運動系脳番地を積極的に刺激し、脳を衰えさせないほうがいいのです。

また、運動系脳番地は身体のあらゆる部分を動かすときに働く場所ですが、多くの神経が通っている「手」は特に、脳と密接につながっています。ですから、手を動かすと運動系脳番地がたくさん刺激を受け、脳が効率的に鍛えられるというわけです。


脳トレ習慣&遊び Part 8 空書(くうしょ)あそび

[刺激される脳番地]

運動系・視覚系・理解系・記憶系

[イラスト] 8つの脳番地:運動系・視覚系・理解系・記憶系

[やり方]

1.はじめは、お父さんやお母さんが空中に文字を書き、子どもがその文字を当てるクイズをします。
(※まだ文字が読めないお子さんの場合は、〇や△などの図形や、簡単な絵などを書いてもOK)


2.やり方がわかったら、次はお子さんが空中に文字を書き、お父さんやお母さんが当ててみましょう。


3.文字を書くときは、脳に残像がしっかり残るよう、ゆっくり、大きく、とめ・はねなども正確に書くのがコツ。
はじめは1文字から始めて、数字→ひらがな→漢字など、徐々にレベルアップしていきましょう。


4.発展形として、親子でお互いの背中に文字を書いて、当てっこするあそびもオススメ。
こちらは目を使わず、感覚だけを頼りにするので、よりいっそう頭の中でイメージする力が鍛えられます。



[Dr.加藤の脳トレ☆ポイント]

手先の器用さ、字や絵の上手さは、視覚系と運動系のつながりがポイント

[イラスト] 手先の器用さ、字や絵の上手さは、視覚系と運動系のつながりがポイント

はさみで切ったり、のりで貼ったりする工作の出来や、絵の上手さ、文字のキレイさなどは「運動系脳番地」の働きと思われがちですが、それだけではありません。実は、目からの情報をインプットすることが苦手だったり、立体的な視覚情報のイメージ処理がうまくいかなかったりするなど、「視覚系脳番地」の働きも大いに関係しています。よって、視覚系と運動系を同時に働かせ、連携を強化しておくことが、“手先の器用さ”にもつながります。

「空書」は、指を動かしながら、イメージする力と記憶力を豊かに伸ばす

上記のように、運動系同様に育てておきたい視覚系ですが、視覚系脳番地の「見る」には2つの種類があります。ひとつは実際に目で、静止している物や物体の動きを「見る」。もうひとつは、現実には見えていないものを記憶や想像を頼りに「頭の中で見る」ということ。この2つの見る力が同時に鍛えられるのが「空書」です。大人も「どういう漢字だっけ?」と思い出すようなとき、空中で指を動かしたりしますが、そのとき、実際に文字は書かれていなくても、頭の中では文字が浮かび上がっているはず。これが、脳のイメージする力と記憶力を豊かに伸ばしてくれるのです。


【親子でやってみました!レポート】

最初は私が出題者でチャレンジスタート!
ひらがな1文字を書いたのですが、息子になかなか伝わらず…。
どうやら一筆書きのように感じてしまうようなので、1画ごとに「い~ち」「に~」と、画数に合わせて声を出すことにしたら、要領を得て、すいすい答えられるようになりました!
そして、わかると嬉しいようで、どんどんレベルアップ。
最終的には、簡単な漢字や5~6文字の単語まで出題し合い、お互いとても楽しく遊ぶことができました。
また、最後に背中にも文字を書いてみたのですが、空中に書くのとはまた違った感覚で、当てるのが難しい!
しかも息子より私のほうが当てられず、ショック……。
これから積極的に、この空書あそびを取り入れて、脳を活性化させようと思います!


ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

12歳・10歳・8歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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