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  4. 親子でできる 脳トレ習慣&遊び Part 9 <紙パズル>

“手指”を動かすと脳が元気に!

親子でできる 脳トレ習慣&遊び
Part 9 <紙パズル>

“身体の外にある脳”と言われるほど多くの神経が通っている、私たちの「手」。
手や指を意識して使うと、脳が刺激を受けて活性化するといいます。
「そのため、ピアノやエレクトーンなどの楽器の演奏は脳にとても良いのですが、手指を動かす遊びや習慣でも同じような効果が期待できるんですよ」と話すのは、「脳の学校」の代表で、小児科医でもある加藤俊徳先生。

そこで、この連載では、加藤先生の指導のもと、日常でできる脳トレとして“手指を動かす習慣&遊び”を紹介していきます。
親子で一緒にやれば、子どもは“脳が育つ”、パパ・ママは“脳が活性化する”かも⁉
ぜひ、ご家族みんなで楽しくやってみてくださいね♪

<監修:加藤俊徳さん>

小児科専門医。株式会社「脳の学校」代表。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授。「脳科学音読法」「脳番地トレーニング」の提唱者。MRI脳画像診断・発達脳科学・発達障害・ADHD、認知症の専門家。『男の子は「脳の聞く力」を育てなさい』、『女の子は「脳の見る力」を育てなさい』(共に青春出版社)、『すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『寝るまえ1分おんどく』(西東社)など著書・監修書多数。









まずは加藤先生にしつもん!

「どうして手を動かすと、脳が元気になるの?」

脳は、担当する機能や働きによって、聴覚系・視覚系・記憶系・理解系・思考系・伝達系・運動系・感情系の8つのエリアに分かれていますが、このエリアを私は「脳番地」と呼んでいます。脳は一気に丸ごと育つのではなく、“脳番地ごとに”成長するという特徴があります。


[イラスト] 8つの脳番地

なかでも、子どもの脳の発達に欠かせないのが「運動系脳番地」。脳の中心に位置しており、他の脳番地との連携も強いため、“脳の土台”を作るためにとても大切な場所です。

そして、認知症を予防するうえで重要なのも、この「運動系脳番地」。運動することで老化物質(アミロイドβ)が蓄積しづらくなるので、ここを鍛えることが、認知症をくいとめることに繋がります。ですから、子どもと一緒に大人の皆さんも、運動系脳番地を積極的に刺激し、脳を衰えさせないほうがいいのです。

また、運動系脳番地は身体のあらゆる部分を動かすときに働く場所ですが、多くの神経が通っている「手」は特に、脳と密接につながっています。ですから、手を動かすと運動系脳番地がたくさん刺激を受け、脳が効率的に鍛えられるというわけです。


脳トレ習慣&遊び Part 9 紙パズル

[刺激される脳番地]

運動系・理解系・視覚系・思考系

[イラスト] 8つの脳番地:運動系・理解系・視覚系・思考系

[やり方]

1.チラシや雑誌記事、カレンダーなどを破ったり切ったりし、パズルのピースにします。
ピースの数は、子どもの年齢や能力にあわせて調整します。


2.破った紙を元に戻し、パズルを完成させます。
お子さんが破った紙は、大人の方が組み立て、大人が破った紙は、お子さんが組み立てると盛り上がります。


3.破る前の紙面を見せずに取り組んだり、絵柄のない紙で取り組むと難易度が上がります。


4.さらに難易度を上げるには、2枚以上の違う色紙を混ぜてパズルを作ります。
また、色味が似ている紙を混ぜると、とても難しいパズルになりよりいっそう脳が鍛えられるでしょう。



[Dr.加藤の脳トレ☆ポイント]

パズル遊びは、自分で考え、選び取り、動く力=脳のセンスが磨かれる

[イラスト] パズル遊びは、自分で考え、選び取り、動く力=脳のセンスが磨かれる

紙をちょうどいい力加減で破り、適度な数に分けるという指先の微細運動が「思考系脳番地」と「運動系脳番地」を刺激。また、分解されたものをしっかり見ることで「視覚系脳番地」が、全体像をイメージしながら組み立てることで「理解系脳番地」が、ともに発達します。こうしたパズル遊びは、「自分で考え、選び取り、動く」という脳のセンスが磨かれるでしょう。仕上げるまでには時間がかかるかもしれませんが、その間ずっと、子どもの脳はフル稼働しています。失敗したり、試行錯誤したりする間も、実は大切な脳トレの時間。要領が悪くても、非効率でイライラしても、口出ししたい気持ちをグッと抑えて、親は「待つ」ことが大切です。

「理解系脳番地」は、五感から得た情報が統合される感覚のジャンクション

目や耳、皮膚感覚などからインプットした情報が集まって統合されるのが「理解系脳番地」。見る、聞く、覚えるなどという働きから一歩進んで、インプットした情報を「意味」にまで落とし込む役割をしています。左脳側は言語によって物事を理解するのに使われ、右脳側は言葉以外の情報(相手の顔色や場の空気など)を理解し、状況を把握するのに使われます。また、空間認知や、自分の体がどういう状態にあるのかという身体感覚も担当。あらゆる脳番地と連携があるので、子どものうちから育てておきたい場所と言えるでしょう。


【親子でやってみました!レポート】

はじめは分かりやすいように、息子は模様つきの折り紙、私は洋服の広告チラシを使って紙パズルにチャレンジ。
息子は「これ破っていいの?」と楽しそうにビリビリ割き、A3サイズの広告が8分割されました。私は折り紙を7分割に。
お互いに交換し、パズルの組み立てをスタート。
ピースをくるくる回したり、組み合わせを変えてみたりして、時間がかかりながらもなんとか完成!
私は意外と難しいと感じましたが、息子は楽しかったようで「もっとやりたい!」「むずかしくして!」とやる気満々。
文字や絵柄のない紙や、2色の色紙を混ぜて使うなど、いろいろな方法で楽しく遊ぶことができました。
ピースの数を細かく増やしたり、制限時間を設けたり、親子で競争したり。
さまざまなアレンジができるので、長く遊べそうです♪


ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

13歳・11歳・8歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。 親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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