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  4. 親子でできる 脳トレ習慣&遊び Part 10 <ギリギリぬりえ>

“手指”を動かすと脳が元気に!

親子でできる 脳トレ習慣&遊び
Part 10 <ギリギリぬりえ>

“身体の外にある脳”と言われるほど多くの神経が通っている、私たちの「手」。
手や指を意識して使うと、脳が刺激を受けて活性化するといいます。
「そのため、ピアノやエレクトーンなどの楽器の演奏は脳にとても良いのですが、手指を動かす遊びや習慣でも同じような効果が期待できるんですよ」と話すのは、「脳の学校」の代表で、小児科医でもある加藤俊徳先生。

そこで、この連載では、加藤先生の指導のもと、日常でできる脳トレとして“手指を動かす習慣&遊び”を紹介していきます。
親子で一緒にやれば、子どもは“脳が育つ”、パパ・ママは“脳が活性化する”かも⁉
ぜひ、ご家族みんなで楽しくやってみてくださいね♪

<監修:加藤俊徳さん>

小児科専門医。株式会社「脳の学校」代表。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授。「脳科学音読法」「脳番地トレーニング」の提唱者。MRI脳画像診断・発達脳科学・発達障害・ADHD、認知症の専門家。『男の子は「脳の聞く力」を育てなさい』、『女の子は「脳の見る力」を育てなさい』(共に青春出版社)、『すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『寝るまえ1分おんどく』(西東社)など著書・監修書多数。









まずは加藤先生にしつもん!

「どうして手を動かすと、脳が元気になるの?」

脳は、担当する機能や働きによって、聴覚系・視覚系・記憶系・理解系・思考系・伝達系・運動系・感情系の8つのエリアに分かれていますが、このエリアを私は「脳番地」と呼んでいます。脳は一気に丸ごと育つのではなく、“脳番地ごとに”成長するという特徴があります。


[イラスト] 8つの脳番地

なかでも、子どもの脳の発達に欠かせないのが「運動系脳番地」。脳の中心に位置しており、他の脳番地との連携も強いため、“脳の土台”を作るためにとても大切な場所です。

そして、認知症を予防するうえで重要なのも、この「運動系脳番地」。運動することで老化物質(アミロイドβ)が蓄積しづらくなるので、ここを鍛えることが、認知症をくいとめることに繋がります。ですから、子どもと一緒に大人の皆さんも、運動系脳番地を積極的に刺激し、脳を衰えさせないほうがいいのです。

また、運動系脳番地は身体のあらゆる部分を動かすときに働く場所ですが、多くの神経が通っている「手」は特に、脳と密接につながっています。ですから、手を動かすと運動系脳番地がたくさん刺激を受け、脳が効率的に鍛えられるというわけです。


脳トレ習慣&遊び Part 10 ギリギリぬりえ

[刺激される脳番地]

運動系・視覚系・感情系・理解系

[イラスト] 8つの脳番地:運動系・視覚系・感情系・理解系

[やり方]

1.お子さんが興味を持ちそうな絵柄と、ご自身がぬりたい絵柄の紙、(市販のぬりえ教材や、フリー素材をダウンロードしたものなど)先のとがった色鉛筆を用意します。


2.ぬりえの輪郭線いっぱいに色を塗るのではなく、「線に触れないように」色を塗ります。
線の内側に1~2ミリ程度の余白を残すことを意識しましょう。
最初は大人がお手本を見せてあげても良いですね。


3.難しければ、拡大コピーしたものを使うと、難易度が下がります。
小さなお子さんの場合は、線に接しても良いこととし、「はみ出さないように塗る」というのでもOKです。


4.上達してきたら、縮小コピーをして取り組んでも◎。
大人の方は、細かい草花や難しい風景の絵柄にチャレンジしたり、濃淡や陰影をつけたりして、オリジナル作品を作る気持ちで取り組むと、よりいっそう脳が活性化されるでしょう。



[Dr.加藤の脳トレ☆ポイント]

ぬりえは、運動系と視覚系の連動性を高め、手先を器用に動かす力を伸ばす

[イラスト] ぬりえは、運動系と視覚系の連動性を高め、手先を器用に動かす力を伸ばす

運動系脳番地には「巧緻動作」(指先を動かして行う細かな作業のこと)を担当する部位があり、ここの発達が未熟だと、手先の器用さが求められる工作や楽器演奏などの巧緻運動が苦手になりがち。また、目からの情報をインプットする「視覚系脳番地」を使って正確な視覚情報が得られなかったり、または、正確な情報が得られても、指先の動きや力加減を調整する「運動系脳番地」が弱かったりすると、字が汚い・絵が下手……という悩みも生まれます。ぬりえは、この2つの脳番地の連動性を高めながら楽しむことができる遊び。続けることで、筆圧を上手に調整できるようになり、細かい部分や曲線などもうまく塗れるようになるはず。目で見ながら器用に手を動かす力、意識しながら慎重に体を使う力、などが身につきます。

無心になってやることで集中力が高まり、リラックス効果も得られる

枠の中に色を塗る、という作業は子どもにとって難しいものです。はみ出さないように、しかも余白を残して色を塗る、という今回の遊びは、さらにレベルアップして、相当な集中力が必要。その分、出来上がったときの達成感も大きく、次々とやりたくなるモチベーションにもなるはずです。また、大人にとっても、色を塗ることに没頭できる経験は貴重。雑念が抜け、無心になれる時間は、日常のストレスから脳が解放される時間でもあります。色彩を考えたり、美しい絵に触れたりすることで、リラックス効果も期待できるでしょう。


【親子でやってみました!レポート】

最初はむずかしいかな~と思い、大きくて簡単そうな絵柄でチャレンジ。
もともとぬりえが好きな息子ですが、「1ミリ残す」というルールを伝えると、いつも以上に集中している様子が見られました。
それでも始めは、やはり失敗してしまうもの。
そこを指摘したりせず、ゆったり見守ることが大事だな~と感じました。
諦めてしまう子には「まだ線から出てないよ!」「少しくらい大丈夫♪」など、ポジティブな声がけをしても良いかもしれません。
そして、私自身もぬりえをやるのは、ものすごく久しぶり!
他のことを考えずに無心で色を塗る行為は、思いのほか気持ちよく、息子以上に夢中になっていたかもしれません(笑)
これから親子で、だんだん細かい絵柄にもチャレンジしていけたらと思います♪


ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

13歳・11歳・8歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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