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  4. 親子でできる 脳トレ習慣&遊び Part 11 <耳トレキャッチボール>

“手指”を動かすと脳が元気に!

親子でできる 脳トレ習慣&遊び
Part 11 <耳トレキャッチボール>

“身体の外にある脳”と言われるほど多くの神経が通っている、私たちの「手」。
手や指を意識して使うと、脳が刺激を受けて活性化するといいます。
「そのため、ピアノやエレクトーンなどの楽器の演奏は脳にとても良いのですが、手指を動かす遊びや習慣でも同じような効果が期待できるんですよ」と話すのは、「脳の学校」の代表で、小児科医でもある加藤俊徳先生。

そこで、この連載では、加藤先生の指導のもと、日常でできる脳トレとして“手指を動かす習慣&遊び”を紹介していきます。
親子で一緒にやれば、子どもは“脳が育つ”、パパ・ママは“脳が活性化する”かも⁉
ぜひ、ご家族みんなで楽しくやってみてくださいね♪

<監修:加藤俊徳さん>

小児科専門医。株式会社「脳の学校」代表。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授。「脳科学音読法」「脳番地トレーニング」の提唱者。MRI脳画像診断・発達脳科学・発達障害・ADHD、認知症の専門家。『男の子は「脳の聞く力」を育てなさい』、『女の子は「脳の見る力」を育てなさい』(共に青春出版社)、『すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『寝るまえ1分おんどく』(西東社)など著書・監修書多数。









まずは加藤先生にしつもん!

「どうして手を動かすと、脳が元気になるの?」

脳は、担当する機能や働きによって、聴覚系・視覚系・記憶系・理解系・思考系・伝達系・運動系・感情系の8つのエリアに分かれていますが、このエリアを私は「脳番地」と呼んでいます。脳は一気に丸ごと育つのではなく、“脳番地ごとに”成長するという特徴があります。


[イラスト] 8つの脳番地

なかでも、子どもの脳の発達に欠かせないのが「運動系脳番地」。脳の中心に位置しており、他の脳番地との連携も強いため、“脳の土台”を作るためにとても大切な場所です。

そして、認知症を予防するうえで重要なのも、この「運動系脳番地」。運動することで老化物質(アミロイドβ)が蓄積しづらくなるので、ここを鍛えることが、認知症をくいとめることに繋がります。ですから、子どもと一緒に大人の皆さんも、運動系脳番地を積極的に刺激し、脳を衰えさせないほうがいいのです。

また、運動系脳番地は身体のあらゆる部分を動かすときに働く場所ですが、多くの神経が通っている「手」は特に、脳と密接につながっています。ですから、手を動かすと運動系脳番地がたくさん刺激を受け、脳が効率的に鍛えられるというわけです。


脳トレ習慣&遊び Part 11 耳トレキャッチボール

[刺激される脳番地]

運動系・聴覚系・視覚系・感情系・伝達系・理解系

[イラスト] 8つの脳番地:運動系・聴覚系・視覚系・感情系・伝達系・理解系

[やり方]

1.スポンジ製、ゴム製のなど柔らかいボールや、新聞紙を丸めて作ったボールなどを用意します。


2.親子で向かい合い、投げる人が相手の受け取る手を指定しながら、キャッチボールをします。
投げる人が「右」と言ったら右手で、「左」と言ったら左手で受け取ります。
たまに「両手」を入れてもOKです。


3.慣れてきたら、今度は足も加えます。
「右」のときは左足、「左」のときは右足を前に出しながら受け取ります


4.投げた瞬間ではなく、相手が受け取る直前に「右!」と言えば、さらに難易度が上がります。
また、「1」と言ったら右、「2」と言ったら左、など言葉を変えて独自のルールを設けるのもおすすめ。
「赤と白」「月と星」など、いろいろな言葉で試してみるとよりいっそう脳が活性化されるでしょう。



[Dr.加藤の脳トレ☆ポイント]

キャッチボールは、運動系と視覚系の連動性を高め、集中して見る力を伸ばす

テレビやパソコン、スマホなど、近くの画面ばかり見ていると、眼球がほとんど動かないため、「見たいものに焦点をあわせる」という前頭葉の視覚系脳番地の働きが衰えがちです。キャッチボールをすると、ボールの軌道を目で追うことで、日ごろ停滞しがちな眼球運動を行うことが可能。上下左右に視線をスムーズに動かしたり、遠近に素早くピントを合わせたりすることができるようになると、スポーツでボールを追いかける、授業中に黒板を見る、読書で文字を追うなど、視覚系脳番地を使って積極的に行動できるようになるでしょう。

「言葉」を加えることで、脳のヘアバンド(=足・手・口の領域)が活性化する

[イラスト] 「言葉」を加えることで、脳のヘアバンド(=足・手・口の領域)が活性化する

以前お伝えした通り、運動系脳番地は、両耳と頭頂部を結ぶ「ヘアバンド」の形をしています。頭頂部には「足の動き」、その両側3cmの位置に「手の動き」、さらに両側1cmの位置に「口の動き」を司る部位が存在(図参照)。そのため、この耳トレキャッチボールで足・手・口を同時に動かすと、運動系脳番地がまんべんなく刺激されるのです。また、通常のキャッチボールに「言葉」を加えることで、聴覚を刺激しながら、とっさの判断力も鍛えられます。親御さんの老化防止にももってこいと言えるでしょう。


【親子でやってみました!レポート】

ルールを説明すると「おもしろそう!」とやる気満々!
二人でワクワクしながらチャレンジしました。
(先生いわく「ワクワク」は感情系が刺激されている証なのだそうです)
はじめはゆっくりスタートし、慣れてきてからはスピードアップ。
私は、手だけなら何とかついていけたのですが、足の動きも加えると、途端にうまくできなくなり、脳の衰えを実感…(笑)
息子も、足に気を取られてボールがキャッチできなかったり、右の手足が同時に出てしまったりして(写真参照)、二人で大笑いしながら楽しみました。
最後は「右・左」を「1・2」と言い換えて遊び、さらに脳がフル回転!!
運動不足の解消や、脳のアンチエイジングのためにぜひ定期的に続けていきたいと思います。


ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

13歳・11歳・8歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。 親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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