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  4. 親子でできる 脳トレ習慣&遊び Part 12 <豆はこび競争>

“手指”を動かすと脳が元気に!

親子でできる 脳トレ習慣&遊び
Part 12 <豆はこび競争>

“身体の外にある脳”と言われるほど多くの神経が通っている、私たちの「手」。
手や指を意識して使うと、脳が刺激を受けて活性化するといいます。
「そのため、ピアノやエレクトーンなどの楽器の演奏は脳にとても良いのですが、手指を動かす遊びや習慣でも同じような効果が期待できるんですよ」と話すのは、「脳の学校」の代表で、小児科医でもある加藤俊徳先生。

そこで、この連載では、加藤先生の指導のもと、日常でできる脳トレとして“手指を動かす習慣&遊び”を紹介していきます。
親子で一緒にやれば、子どもは“脳が育つ”、パパ・ママは“脳が活性化する”かも⁉
ぜひ、ご家族みんなで楽しくやってみてくださいね♪

<監修:加藤俊徳さん>

小児科専門医。株式会社「脳の学校」代表。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授。「脳科学音読法」「脳番地トレーニング」の提唱者。MRI脳画像診断・発達脳科学・発達障害・ADHD、認知症の専門家。『男の子は「脳の聞く力」を育てなさい』、『女の子は「脳の見る力」を育てなさい』(共に青春出版社)、『すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『はじめての寝るまえ1分おんどく』(西東社)など著書・監修書多数。









まずは加藤先生にしつもん!

「どうして手を動かすと、脳が元気になるの?」

脳は、担当する機能や働きによって、聴覚系・視覚系・記憶系・理解系・思考系・伝達系・運動系・感情系の8つのエリアに分かれていますが、このエリアを私は「脳番地」と呼んでいます。脳は一気に丸ごと育つのではなく、“脳番地ごとに”成長するという特徴があります。


[イラスト] 8つの脳番地

なかでも、子どもの脳の発達に欠かせないのが「運動系脳番地」。脳の中心に位置しており、他の脳番地との連携も強いため、“脳の土台”を作るためにとても大切な場所です。

そして、認知症を予防するうえで重要なのも、この「運動系脳番地」。運動することで老化物質(アミロイドβ)が蓄積しづらくなるので、ここを鍛えることが、認知症をくいとめることに繋がります。ですから、子どもと一緒に大人の皆さんも、運動系脳番地を積極的に刺激し、脳を衰えさせないほうがいいのです。

また、運動系脳番地は身体のあらゆる部分を動かすときに働く場所ですが、多くの神経が通っている「手」は特に、脳と密接につながっています。ですから、手を動かすと運動系脳番地がたくさん刺激を受け、脳が効率的に鍛えられるというわけです。


脳トレ習慣&遊び Part 12 豆はこび競争

[刺激される脳番地]

運動系・感情系・思考系

[イラスト] 8つの脳番地:運動系・感情系・思考系

[やり方]

1.豆(大豆、小豆、枝豆など)20~30粒ほどを小皿に乗せ、もう一枚の小皿と、箸を用意します。
(まだ箸が使えないお子さんは、素手やスプーンでもOK)


2.箸で豆をつまんで、皿から皿へ移動させます。
時計やストップウォッチで30秒間はかり、いくつの豆を移すことができたか記録します。


3.最初は利き手、次は反対の手でチャレンジ。
それぞれの手でできたら、今度は両手に箸を持って、右・左・右・左と交互につまんで移しましょう。


4.親子で、どちらが多く豆をはこべたか競争したり、利き手の記録に、反対の手がどれだけ迫れるかトライしたり、いろいろなルールで楽しみましょう。
豆以外にも、コーンやミニトマトなどさまざまな「つかみにくいもの」で試してみると、よりいっそう脳が活性化されるでしょう。



[Dr.加藤の脳トレ☆ポイント]

利き手でない手を積極的に使うと、感情のコントロールが上手になる

[イラスト] 利き手でない手を積極的に使うと、感情のコントロールが上手になる

この遊びは、一般的には「手先を器用に動かす訓練」ということになっていますが、脳にとっては別の意味を持っています。実は、ある実験で、怒りっぽい性格の被験者に2週間、利き手でないほうの手を使って生活してもらったところ、攻撃的な感情が低下していた……という報告があるのです。また、利き手だけでなく逆の手を使うことで、感情や理性のコントロールに関与している思考系脳番地の活動がより広く活発になることが、複数の研究結果で示唆されています。つまり、利き手と逆の手を積極的に使うと、感情系、思考系の脳番地の働きがよくなり、感情(とくに怒り)をうまくコントロールできるようになるということ。その点で、この遊びは子どもにも大人にもおすすめなのです。

手と口を使う「食事」は、さまざまな脳番地を鍛えるよい機会

食事は、手を使って箸や器を持ち、口に入れた食べ物を咀嚼するので、運動系脳番地を刺激します。また、食べ物は口から入りますが、そこに至るまでに視覚系脳番地を使って食べるものを認識したり、嗅覚が刺激されたり、「何を食べようか」「どうやって食べようか」と考えることも、脳を鍛える方法のひとつ。さらに「噛む」という行為には、脳を刺激して覚醒させる働きもあります。意識して両手を使ったり、毎日違うものを食べたり、噛み応えのあるメニューにしたりして、親子で食べながら脳トレしましょう。


【親子でやってみました!レポート】

「ぼく箸つかうの得意だよ!」という息子に枝豆、大豆(乾燥)、小豆(乾燥)の3種類の豆を用意。
大きさ順にチャレンジしていきました。
右手は、枝豆も大豆も30秒で30個近くも移動でき、本人も得意顔!
一方、小豆は小さくてツルツルしているため、苦戦していました。
また、利き手ではない左手に箸を持ち替えたところ、いつもと違う感覚にびっくりした様子!
ぎこちない手つきで、一生懸命に豆をつかむ姿がほほえましかったです。
その後、私もトライしてみましたが、左手は本当に難しい…!
でも、親子ともども何度か挑戦するうちに、左手の箸も少しずつ使えるようになってきた感覚がありました。
イライラや怒りをうまくコントロールすることを目指し、これからも親子で続けていきたいと思います♪


ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

13歳・11歳・9歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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