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“手指”を動かすと脳が元気に!

親子でできる 脳トレ習慣&遊び
Part 13 <イラスト記憶ゲーム>

“身体の外にある脳”と言われるほど多くの神経が通っている、私たちの「手」。
手や指を意識して使うと、脳が刺激を受けて活性化するといいます。
「そのため、ピアノやエレクトーンなどの楽器の演奏は脳にとても良いのですが、手指を動かす遊びや習慣でも同じような効果が期待できるんですよ」と話すのは、「脳の学校」の代表で、小児科医でもある加藤俊徳先生。

そこで、この連載では、加藤先生の指導のもと、日常でできる脳トレとして“手指を動かす習慣&遊び”を紹介していきます。
親子で一緒にやれば、子どもは“脳が育つ”、パパ・ママは“脳が活性化する”かも⁉
ぜひ、ご家族みんなで楽しくやってみてくださいね♪

<監修:加藤俊徳さん>

小児科専門医。株式会社「脳の学校」代表。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授。「助詞強調音読法」「脳番地トレーニング」の提唱者。MRI脳画像診断・脳科学・発達障害・ADHD、認知症の専門家。『発達凸凹子どもの見ている世界』(Gakken)、『男の子は「脳の聞く力」を育てなさい』(青春出版社)、『すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『はじめての寝るまえ1分おんどく』(西東社)など著書・監修書多数。









まずは加藤先生にしつもん!

「どうして手を動かすと、脳が元気になるの?」

脳は、担当する機能や働きによって、聴覚系・視覚系・記憶系・理解系・思考系・伝達系・運動系・感情系の8つのエリアに分かれていますが、このエリアを私は「脳番地」と呼んでいます。脳は一気に丸ごと育つのではなく、“脳番地ごとに”成長するという特徴があります。


[イラスト] 8つの脳番地

なかでも、子どもの脳の発達に欠かせないのが「運動系脳番地」。脳の中心に位置しており、他の脳番地との連携も強いため、“脳の土台”を作るためにとても大切な場所です。

そして、認知症を予防するうえで重要なのも、この「運動系脳番地」。運動することで老化物質(アミロイドβ)が蓄積しづらくなるので、ここを鍛えることが、認知症をくいとめることに繋がります。ですから、子どもと一緒に大人の皆さんも、運動系脳番地を積極的に刺激し、脳を衰えさせないほうがいいのです。

また、運動系脳番地は身体のあらゆる部分を動かすときに働く場所ですが、多くの神経が通っている「手」は特に、脳と密接につながっています。ですから、手を動かすと運動系脳番地がたくさん刺激を受け、脳が効率的に鍛えられるというわけです。


脳トレ習慣&遊び Part 13 イラスト記憶ゲーム

[刺激される脳番地]

運動系・視覚系・記憶系・感情系

[イラスト] 8つの脳番地:運動系・視覚系・記憶系・感情系

[やり方]

1.紙・えんぴつ・消しゴムと、わかりやすく覚えやすい絵柄のイラスト(図形、音符、国旗など)を用意します。
印刷物でも、親御さんの手書きでもOKです。


2.時計やストップウォッチで30秒間はかり、イラスト(見本)の図柄を見て覚えます。


3.30秒たったら、見本を隠して、覚えた図柄を紙に描きます。
一度で描けない場合には、「30秒見る→隠して描く」を3回まで繰り返します。


4.親子で、どちらが早く正確に描けるか競ったり、見る時間を短くしたり、図柄を難しくしたりして、いろいろなルールで楽しみましょう。


5.小さなお子さんや、見ることが苦手なお子さんは、白黒よりも色のついた図柄のほうがおすすめです。
(その場合は、色えんぴつやカラーペンを用意)
また、なかなか覚えられない場合は、見るだけではなく、見たことを声に出しながら覚えるようにしてみると良いでしょう。




[Dr.加藤の脳トレ☆ポイント]

記憶系脳番地は、「覚える」「思い出す」のほか「時間感覚」にも関わる

記憶系脳番地は、知覚した情報や知識を『覚えたり』、体験したことを『思い出したり』することを担当する脳番地。そして、『時間感覚』『時間管理能力』とも密接に関係します。これは「遅刻しないように準備する」など時計に合わせて動くことができるかどうか、そして「宿題を終わらせるのに1時間かかる」というような時間の見当・見積りが上手にできるかどうかの能力。ですから、この脳番地を鍛えると、記憶力が良くなるだけでなく、計画的に行動できたり、見通しを立てるのが得意になったりするため、子どもの生活習慣にも良い影響を与えるでしょう。

記憶力は、「見る・聞く・動く」「感情を連動させる」と伸びる!

[イラスト] 記憶系脳番地は、「覚える」「思い出す」のほか「時間感覚」にも関わる

記憶力は生まれつき良し悪しが決まっている……と思われがちですがそうではありません。「見る、聞く、動く」という経験を豊富に積み重ねることで、記憶力は鍛えて伸ばすことができます。また、人は触れた情報すべてを記憶するわけではなく、自分にとって重要な情報を選別して記憶しています。そのため、興味があり理解が進む情報、喜怒哀楽が関わり感情が動いた体験、何度も繰り返した経験など、印象に残ることが記憶されやすい傾向があります。この「イラスト記憶ゲーム」も、競争してドキドキしたり、うまく描けたことを喜んだり、親子で楽しんで手を動かし、感情も動かしながらやってみると、よりいっそう脳が刺激され、育っていくはずです。


【親子でやってみました!レポート】

今回は音符のプリントを用意し、親子でトライしてみました。
「ちゃんと覚えられるかなぁ~」と不安そうな息子でしたが、いざ始めてみると、音符の形に苦戦しながらもほぼ正確に描きだすことができました。
“30秒間”と制限があることで、いつも以上にしっかり集中して覚えていたように感じます。
その後、楽しかったようで「もっとやりたい!」と他の図柄にも次々とチャレンジ。
カラープリントの音符を覚えた際には、やる気満々で色えんぴつを走らせたものの、左右の色を入れ違いで描いてしまい「うわ~!逆だった~」と悔しそうにする様子も。
慣れてきたら時間を短くたり、難しいイラストにしたりして、私も一緒に楽しく記憶力を鍛えていきたいと思います♪


ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

14歳・12歳・9歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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