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“手指”を動かすと脳が元気に!

親子でできる 脳トレ習慣&遊び
Part 14 <親子で『手遊び歌』を楽しむ>

“身体の外にある脳”と言われるほど多くの神経が通っている、私たちの「手」。
手や指を意識して使うと、脳が刺激を受けて活性化するといいます。
「そのため、ピアノやエレクトーンなどの楽器の演奏は脳にとても良いのですが、手指を動かす遊びや習慣でも同じような効果が期待できるんですよ」と話すのは、「脳の学校」の代表で、小児科医でもある加藤俊徳先生。

そこで、この連載では、加藤先生の指導のもと、日常でできる脳トレとして“手指を動かす習慣&遊び”を紹介していきます。
親子で一緒にやれば、子どもは“脳が育つ”、パパ・ママは“脳が活性化する”かも⁉
ぜひ、ご家族みんなで楽しくやってみてくださいね♪

<監修:加藤俊徳さん>

小児科専門医。株式会社「脳の学校」代表。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授。「助詞強調音読法」「脳番地トレーニング」の提唱者。MRI脳画像診断・脳科学・発達障害・ADHD、認知症の専門家。『発達凸凹子どもの見ている世界』(Gakken)、『男の子は「脳の聞く力」を育てなさい』(青春出版社)、『すごい左利き』(ダイヤモンド社)、『はじめての寝るまえ1分おんどく』(西東社)など著書・監修書多数。









まずは加藤先生にしつもん!

「どうして手を動かすと、脳が元気になるの?」

脳は、担当する機能や働きによって、聴覚系・視覚系・記憶系・理解系・思考系・伝達系・運動系・感情系の8つのエリアに分かれていますが、このエリアを私は「脳番地」と呼んでいます。脳は一気に丸ごと育つのではなく、“脳番地ごとに”成長するという特徴があります。


[イラスト] 8つの脳番地

なかでも、子どもの脳の発達に欠かせないのが「運動系脳番地」。脳の中心に位置しており、他の脳番地との連携も強いため、“脳の土台”を作るためにとても大切な場所です。

そして、認知症を予防するうえで重要なのも、この「運動系脳番地」。運動することで老化物質(アミロイドβ)が蓄積しづらくなるので、ここを鍛えることが、認知症をくいとめることに繋がります。ですから、子どもと一緒に大人の皆さんも、運動系脳番地を積極的に刺激し、脳を衰えさせないほうがいいのです。

また、運動系脳番地は身体のあらゆる部分を動かすときに働く場所ですが、多くの神経が通っている「手」は特に、脳と密接につながっています。ですから、手を動かすと運動系脳番地がたくさん刺激を受け、脳が効率的に鍛えられるというわけです。


脳トレ習慣&遊び Part 14 親子で『手遊び歌』を楽しむ

[刺激される脳番地]

運動系・聴覚系・視覚系・感情系・伝達系

[イラスト] 8つの脳番地:運動系・聴覚系・視覚系・感情系・伝達系

[やり方]

親子で向かい合って座り、歌を歌いながら、手を動かして遊びます。
(※一例として「お寺のおしょうさん」を紹介します)

『お寺のおしょうさん』(わらべうた)

せっせっせーの|よいよいよい
おてらのおしょうさんが
かぼちゃのたねをまきました
めがでて|ふくらんで
はながさいたら|ジャンケンポン!

♪せっせっせーの
両手をつないで、リズムに合わせて上下します。


♪よいよいよい
両手を交差して上下させます。


♪おてらの おしょうさんが かぼちゃのたねを まきました
自分の手のひらと、子どもの手のひらを交互にたたきます。


♪めーがでて
にょきっと芽が出るように、手を合わせます。


♪ふくらんで
つぼみが膨らむように、合わせた手をふくらませます。


♪はながさいたら
花が咲くように、指を広げます。


♪ジャンケンポン!
手をぐるぐる回して、「ポン」でジャンケンをします。




[年齢別・おすすめの手遊び歌]

2~3歳(歌が短く、動きも簡単なもの)

「あたま・かた・ひざ・ポン」「パンダ・うさぎ・コアラ」「ひげじいさん」「大きな栗の木の下で」「げんこつ山のたぬきさん」

4~5歳(相手とタイミングをあわせることや、想像力などが必要なもの)

「パン屋さんにおかいもの」「お寺のおしょうさん」「おちたおちた」「グー・チョキ・パーで何つくろう」「おべんとうばこのうた」

6歳以上(動きが複雑でスピードも速く、ゲーム性もあるもの)

「アルプス一万尺」「茶摘み」「みかんの花咲く丘」「ずいずいずっころばし」「おちゃらかホイ」

[Dr.加藤の脳トレ☆ポイント]

昔ながらの手遊び歌で、効率的に脳が鍛えられる!

[イラスト] 昔ながらの手遊び歌で、効率的に脳が鍛えられる!

脳は2つ以上の脳番地を同時に働かせることで、より発達するという特徴がありますが、昔ながらの手遊び歌は一度にたくさんの脳番地を刺激するので、子どもの脳を育てるのにとても役立ちます。声を聞き、その通りにリズムよく手を動かすことで「聴覚系→運動系脳番地」のつながりが強化。また、相手の動きをしっかり見て、それを真似て動くという行為は「視覚系→運動系脳番地」のつながりを鍛えてくれます。さらに、歌を歌ったりおしゃべりしながら楽しむと伝達系脳番地も活性化。両手を同時に使うことで、右脳・左脳の両方が刺激される点も魅力です。パパ・ママも昔を思い出し、童心に返って親子で楽しみましょう。

スキンシップを積極的に行うと、感情系が豊かに育つ

感情系脳番地の主な働きは、自分や他人の気持ちを感じたり、自分の気持ちを作り出したりすること。ここが発達していると、社交的で表情豊かに自分を表現できる上、相手の感情を読み取って適切に対処できたり、自分の感情も上手にコントロールできたりします。実は、触覚からの刺激を処理する脳番地(感覚系脳番地とも言います)は、この感情を処理する脳番地とつながっているため、手遊びなどのスキンシップで触覚を刺激してあげると、感情系脳番地が豊かに育ちやすくなります。そのため、家族や先生など身近な人たちと手がふれあう手遊び歌を行うと、子どもの気持ちが落ち着くことも。ちょっとご機嫌が悪いときや外出先の待ち時間などにも、手遊び歌はおすすめですよ。


【親子でやってみました!レポート】

息子は園や学校で手遊び歌に触れる機会があるようですが、私と手遊び歌をやるのはとても久しぶり!
そのためか、最初はなかなか息が合わず、手がバラバラに…。
けれども何回かやるうちに、リズムよく、スムーズにできるようになりました。
今回紹介した『お寺のおしょうさん』の他にも、「なつかしい~!」と言いながら『おべんとうばこのうた』を歌ったり、「速いテンポでもやってみたい」と『アルプス一万尺』にトライしたり、私が幼い頃に母から教わった『茶摘み』を今度は息子に教えてみたり。
とても楽しいふれあいタイムとなりました。
親子でコミュニケーションを図りながら、楽しく脳トレができる手遊び歌。ぜひおすすめです!


ぷっぷるコラムメンバーズ・よこ(横山香織)

14歳・12歳・9歳のわんぱく3兄弟を育てるママライター。
親子の生活がちょっと豊かになるような、等身大の情報を発信していけたらと思っています。

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