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上原彩子さん インタビュー

ピアニスト
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2002年チャイコフスキーコンクールで日本人初の優勝に輝き、ピアニストとして活躍を続ける上原彩子さん。
幼児科、マスタークラスに通われていたヤマハでの想い出、現在の活動などについてお話いただきました。

上原彩子 プロフィール

3歳児のコースからヤマハ音楽教室に、1990年よりヤマハマスタークラスに在籍。ヴェラ・ゴルノスタエヴァ、江口文子、浦壁信二各氏に師事。
第12回チャイコフスキー国際コンクール ピアノ部門において、女性としてまた、日本人として史上初めての第一位を獲得。第18回新日鉄音楽賞フレッシュアーティスト賞受賞。
これまでに国内外での演奏活動を行ない、ヤノフスキ、ノセダ、ルイジ、ラザレフ、ブラビンス、ペトレンコ、小澤征爾、小林研一郎、飯森範親、各氏等の指揮のもと、国内外のオーケストラのソリストとしての共演も多い。
2004年12月にはデュトワ指揮NHK交響楽団と共演し、2004年度ベスト・ソリストに選ばれた。CDはEMIクラシックスから3枚がワールドワイドで発売された他、キングレコードに移籍し、「上原彩子のくるみ割り人形」「ラフマニノフ 13の前奏曲」「上原彩子のモーツァルト&チャイコフスキー」がリリースされている。
東京藝術大学音楽学部 早期教育リサーチセンター准教授。
オフィシャルサイト

― はじめてヤマハ音楽教室に通われた時、神戸にお住まいだったそうですね。

上原 3歳からヤマハに通い始めて、その後幼児科に進みました。小学1年で岐阜に引っ越したのですが、しばらくは神戸までレッスンに通っていたんです。

― ヤマハのレッスンの想い出は?

上原 当時の「3歳児ランド」では、紙芝居があったり、打楽器を叩いたり、広い教室でのびのびとレッスンができて楽しかったです。
幼児科では先生が「ここを練習させてくださいね!」とお母さん達にもお願いするので母もしっかりやらせなければと思っていたのか家で厳しく練習させられて、それがちょっと怖かったです(笑)。

― マスタークラスではどのようなレッスンを受けていらっしゃいましたか。

上原 小学校4年生からマスタークラスに入って、東京に通うようになりました。
当時は宿泊ができるヤマハの研修施設でレッスンをしていて、土日で泊まりのレッスンでした。私はマスタークラスの二期生で、先生方はいろいろなことを試しながら指導してくださり、とても自由な雰囲気でしたね。
ピアノ以外のレッスンもたくさんあり、みんなで映像を観たり曲の分析をしたり、ソルフェージュや楽典、指揮法、身体を動かしての表現力講座なども。本当にいろいろなことをたくさん経験させていただきました。

― ヴェラ先生(※)のレッスンは?

上原 いつも充実したレッスンをしてくださって3時間ほどに渡ることもあり、「モスクワではこんなに長いレッスンはしないのよ」とおっしゃっていました。
先生が日本にいらっしゃらない間は自分の練習に集中する期間になり、そのメリハリもよかったと思っています。
レッスンでは、基本的にはある程度仕上がったものを見ていたただくのですが、たいてい一(いち)からやり直しという感じで、1小節単位でこまかく直してくださいました。はじめは先生の真似をするという形で練習して、それが自分の身体に入ったらさらに深い表現につなげていきました。

※ヴェラ・ゴルノスタエヴァ氏(1929~2015)
ピアニスト、そして教育者としても大きな功績を遺したロシアのピアノ奏者。ヤマハマスタークラスでも指導し後進を育てた。

― 音楽家になることを意識したのはいつ頃からでしたか。

上原 小学校6年生の時にドイツで受けた初めてのコンクールがきっかけになり、これからピアノの道を目指していくのかなと思っていました。
でも中学生までは、先生にあれこれ厳しく言われても、自分で好きなように弾いてたんです。
こう弾く、とレッスンで決まっていたのに本番は先生が隣にいないのをいいことに、全然違うように弾いて後で怒られたりもして(笑)。
高校生ぐらいから、ふと何か違うんじゃないか、と思い始めました。背が低くて半分立っているような弾き方をしていたので、まず弾き方が理にかなっていなかった。ペダルの使い方や弾く時の姿勢を見直したりして、そこから意識が変わりましたね。

― そして2002年に出場されたチャイコフスキーコンクールでは第1位という素晴らしい結果となりました。

上原 その4年前に出場した時に、とてもピリピリと張りつめた空気の中で自分の力を出すことの難しさを実感していました。2002年に再び出場する前にはシドニーと浜松のコンクールでそれぞれ2位をいただいて、ある程度の自信も芽生えていました。
それと、それまで2位が続いていたのでそろそろ1位をいただきたいな、とも思っていたんです。

― コンクールや人前で弾く緊張感など、メンタル面で何か心がけていらっしゃることは?

上原 スポーツ選手の方達のメンタルトレーニングが参考になりますね。
同じ岐阜県出身の、マラソンで活躍された高橋尚子さんの本を読んだりしています。
緊張するのは悪いことではないので、それをプラスの力に変えていくことを考えるとうまくいくと思います。
普段からピアノに向かっての練習だけではなく、頭の中でイメージトレーニングをするのもいい方法だと思います。
コンクールではミスをしたからといって落ちるとは限らない。ミスをしても落ち込んで崩れてしまわないことも大切です。

― 上原さんのお子様たちもピアノを弾いていらっしゃいますか。

上原 今は次女と三女がレッスンに通っています。
次女は最近ひとりで練習するようになって、集中して1時間半ぐらい弾いていることもあります。
わからないところがあると「おかあさんちょっと来て」と部屋に呼ばれるんですが、私の説明が終わって疑問が解決すると「もう出て行っていいよ」と言うんです(笑)。
三女は困ったことにお母さんが一緒じゃないと練習しないと言うので、練習のあいだは私もピアノの部屋にいるようにしています。

― 現在お子さんがいらっしゃる保護者の方々にメッセージをお願いします。

上原 ヤマハ音楽教室のグループレッスンはお友達と一緒に音楽を楽しんで始められるところがとてもよいと思います。
私自身もそうでしたが、娘たちが楽しんでレッスンを続けているのを見てもそれを実感しています。
まずは音楽の楽しさを発見するきっかけになればいいですね。

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